指揮者人形(2000/6/17)
今日は久しぶりにペニンスラシンフォニックバンドのお話です。
練習に早めに行くと大体マネージャのBobと指揮のDwightさんが来ています。 Dwightさんは日本人のお辞儀が気に入っているらしく、ときたまふざけて僕に対して軽くお辞儀します。
アメリカ人がお辞儀するのはコンサートが終わって拍手を受けているとき位しか見ません。でも手を揃えてきちっとというよりは、腰から上半身を傾けてペコッとという感じです。もっともDwightさんはコンサートの時でもお辞儀しませんが。
お辞儀ではありませんが、人とすれ違ったり、視線があったりしたときは、ニコッとすることが多いです。でもこの習慣は東海岸(ニューヨークやボストンの方)よりも西海岸(サンフランシスコ側)で一般的らしいです。
公園や観光地などで見知らぬ人とすれ違ったときでも、アジア人同士はまず知らんぷりですが、西洋人系はよく「ハーイ」と声をかけてきます。
僕も向こうから日本人ぽい人が来たとしても、果たして本当に日本人なのか中国系の人なのか韓国系の人なのか、日本人だったら英語で話しかけるのは変だし、改めて挨拶するのもちょっと気恥ずかしいし、何て考えているとつい気を逸してしまいます。
お辞儀で思い出しましたが、僕の同僚のアメリカ人はお辞儀と逆方向のリアクションをします。例えばちょっと離れた場所からお互いを認識したとすると、彼はペコッと頭を下げるのではなく、逆にクッとあごを上げて頭が少し後ろに下がるような、ちょっと反り返るような動きをします。
「オゥ」とちょっと驚いたときのリアクションです。
脱線しましたが、この日は合奏が始まるとDwightさんは鞄から何やら人形を取り出し指揮台の上に載せました。昨年のクリスマスシーズンには腰を振って踊るサンタクロースの人形がアメリカでも(日本でも?)流行りましたが、その人形は指揮者人形でした。
ちゃんと黒いタキシードを着ていて手には指揮棒を持っています。みんな「ワォー」とか言って喜んでいます。スイッチを入れると2拍子で指揮棒を振り始めました。ここで爆笑です。
Dwightさんはこれにとどまらず、この指揮者に合わせて曲をやろうと言い出しました。そのときは丁度マーチ「海を越える握手」をやっている時だったので、始めからお人形の指揮に合わせて合奏しました。
でもこれがなかなか難しいのです。2拍子の指揮は完全に均等ではなく微妙に2拍がアンバランスな感じです。更に全員で演奏し始めるとタイミングがずれてきてわけが分からなくなってきます。それでも最後まで何とか通しました。
曲が終わるとみんな笑いながら指揮者に拍手です。今日はずっとこの指揮者で合奏するのかとも思いましたが、さすがにその1曲で彼の出番は終わりました。
コンサートの1曲目やアンコールにこの人形を使ってみたら結構受けるかも知れませんね。チャンチャン。