クリニックに出かけたが(2000/1/8)
今回はまた違ったお話です。
以前サンノゼウィンドシンフォニー(SJWS)がプロのトロンボーン奏者をゲストに呼んでクリニックをするというので、ある土曜日の午後に車で十数分のところにある高校へ向かいました。
いつものように地図を見つつ行ったのですが、一ヶ所曲がりそびれて道に迷いかけましたが、何とか到着しました。この高校も大きな駐車場があり、適当に車をとめて何かホールらしき建物へ向かいました。
そこには若い生徒風の女の子たちがいて、入り口近くのブースでチケットを買っているようです。たぶんここでチケットを買えばよいのだろうと思い、そこへ向かいましたが、チケットの額が少し違うような気がします。
これはコンサートのチケットかと聞くと、違う、ファッションショーのチケットだというのです。そういえば、やけに若い子たちがホールに入って行くなあと思え出しました。どうやら高校の学生によるファッションショー(発表会)のようです。
コンサートはどこだと聞くとあっちの方じゃないかというので、そっちの方へ行くことにしました。もうちょっとで場違いなところへ入ってしまうところでした。
でもそっちの方といっても特に人だかりがしている様子もありません。一体どこなのだろうと思い、違う人に聞いてみるとすぐ隣にあるこの建物だといいます。ところがどうやら閉まっているようです。
早く来すぎたからかと思ってぐるっと建物の周りを回ってみると、何やら張り紙がしてあります。トロンボーン奏者の飛行機が遅れたため、今日のクリニックは中止になったと書かれています。
何のこっちゃ、せっかく来たのに、そうならそうとSJWSのホームページにすぐ情報を載せてくれれば良いのにとぶつぶつ思って戻ろうかとしているとトロンボーンのケースを持ったおじいさんを見つけました。
もしやバンドの人かと思い声をかけてみると、同じく聞きに来た人でした。そこで自己紹介などして話し始めると、おじいさんのことですから話が好きです。自分は今や過去どんなバンド活動をしてきたかなどを話し始めました。
すると前に誘っておいたペニンスラシンフォニックバンドTpのカール(若い方)がやって来ました。カールも張り紙を見たようで、せっかく来たのに残念だと言いながら、このおじいさんの話に入ってきました。
おじいさんはテッドと言って、Tbがメインだけど、金管から木管までいろんな楽器をやったことがあり、かついろいろ持っているとのこと。また若いものに教えたこともある、誰か有名人のレッスンを受けたこともある、楽器はどんなのを持っている、クパチーノのバンドに入っている、うまいプロの演奏をしたことがある、東海岸まで演奏旅行をしたことがあるなど、延々と話が止まりません。
発音もいまいち不明瞭なので、部分的に分かるところもありますが、とりあえずふんふんと聞いていました。カールは当然聞いて分かるので適当に相づちや短い質問を加えるものですから、ますますテッドの話は止みそうにありません。
僕も日本で会社の吹奏楽団に入っていたこと、毎日お昼に練習をしていたこと、12時から1時までの昼休みの間に集合して、音出しをして、ロングトーンをして、チューニングして、合奏して、12:35には切り上げて、急いで食堂に行ってお昼を食べ、1時にはこれまた急いで席に戻るという忙しいが楽しい昼休みを過ごしていたことなどを紹介しました。
そんなわけで1時間ばかり建物のそばで立ち話をして、じゃあそろそろ帰ろうということになりました。
カールと駐車場まで歩いていく間に、僕は日本にいたとき冬はよくアンサンブルをしていて、毎年コンクールに出ていた、アメリカでもペニンスラのバンド以外にアンサンブルがしてみたいという話をカールにしてみました。
彼もアンサンブルは好きだ、出来たらやってみたいねと言ってくれました。但しメンバーを揃えるのとやる場所が問題です。楽譜は昔Macに打ち込んだデータが一部あるので印字すれば1曲分はある、それ以外は日本に置いてきたが友達に頼んで送ってもらうこともできるので何とかなるので問題ありません。
カールは楽譜は持っていないが、メンバーなら思い当たる節があるので今後当たってみるということになりました。やはりこういうことはローカルの人に頼むのが一番です。
果たしてアンサンブルが実現できるのか楽しみになってきました。