パレードカー(1999/7/17)


さてパレードの朝です。

一体どんな感じでパレードをするのか、トラックのような車複数台に分かれて行進するのか、それとも...などと期待とちょっと不安を抱きながら、Safewayに向かいました。

駐車場に車を置いて少し人が集まっている所へ近づいて行きました。そこにはポールの姿はなく、あれ、ひょっとして場所が違うのか?でも連絡の取りようもないし...などと思っていると、変な形をした車がやってきました。

どうやらパレードカーのようです。形は細長い三角形をしていて、周りにYe Olde Towne Bandと書かれた看板が付いています。車を道路に停めて数人が集まって、その看板を車から外し始めました。

ポールが来るのをしばらく待っていたのですが、まだ来ないし、ぼけっと側に突っ立っているのも決まりが悪いので、一人に今日はパレードに参加しに来たんだと話しかけました。彼はTedという名前のおじさんで、以前このバンドに入っていたが最近は吹いていない、このパレードも初めてだと言っていました。

楽器は何だ、Tpだ、パートは何だ、そりゃ分からんといった感じで話し始めていると、やっとポールが現れました。彼は黒いトレンチコートを着て革の手袋をしています。どうやらパレードカーを作り上げるにはこの車を解体するようで、それを知っているから作業着代わりにそんな格好をしているようです。

三角形のふたを両側に広げて倒すと車の上に8角形の舞台が出来上がりました。舞台の前の部分は少し窪んでいて運転席があります。舞台の上に各隅にポールを立てていって、そのポールの間に網状のパネルを挟んでいきました。

真ん中にも太いポールを立てて、その先に布のテントをかぶせて全体を覆うようにし、結果的には回らない、車のエンジンで前進するミニメリーゴーランドのような形になりました。

最後に舞台の上に譜面台とパイプ椅子をならべて出来上がりです。ポールによるとこのパレードカーは50年前に作られたもので、最近は壊れて以来使っていなかったが、ついこの間修理して今回久しぶりに日の目を見ることになったという訳です。

組み立てに使ったパネルや舞台の床材も全て木製で、それにしてもよく出来ています。もとはといえば細長い三角形の車に、すべてのものが入っていた訳ですから。結局車を作るのに40分ほどかかりました。

さて車に乗り込んで自分の席に座りました。編成はTpx4、Tb、Sax、クラリネット、Eup、Tuba、ドラム、バスドラ、指揮者と言った感じで、全部で16人くらいです。さすがに中は窮屈ですがなんとかみな座っています。パートは指揮者の指示で1st2人、2nd2人、僕と Tedが2ndを初見で吹くことになりました。

続きをお楽しみに。