Sporting Life(1999/6/25)


今日はSalinas ACB コンベンションから合同バンドの話題です。

* Convention Band

このバンドはこの大会で特別に組んだ自由参加型の合同バンドです。実はこの大会の申込用紙にコンベンションバンドに参加するかどうか、するなら希望パートは何か(第3希望まで)を書く欄がありました。

いつもペニンシュラシンフォニックバンドで3rdを吹いているので、この時は1stを吹きたいと思い、第一希望を1stに第二希望を2ndにして出しました。

ところが初日にホールにロビーにある本体会の事務局の受付で僕の予約状況を確認すると全く話が通っていないようでした。確かにFaxした翌週に電話でホテルの予約の確認まで事務局に入れたのに、信じられないというよりは最近はまたかといった感じです。

よって名札はできていないし、ホテルの予約までありませんでした。結局ホテルに行って受付で予約されていないことを確認してから事務局の人に言って、ホテルの予約を急遽その場でしてもらった有様です。まあそれはそれとして、当然僕の希望パートも誰にも分からない訳なので、こりゃ練習時間よりも少し早めに練習場(実際にはホール)へ行った方が良いと思い、時間前にホールのステージのTpの席に行きました。

まだあまり人は来ていなくて、おそらく1stであろうと思われる場所にちゃっかり席を陣取っていると少しずつ人がやってきました。結局のところ誰もパートの希望など統括して把握している風はなく、みんな余った席へ適当に座っていきました。僕の席はどうやらSoloCornetの席のようで、こりゃばてて吹けなかったり、初見がきかなかったりしたらまずいと思い、一人うまそうな人を隣に座ってくれと頼んでリスク回避に走りました。

最終的には人数が多いので、SoloCornet2人、1st2人、...といった編成で、Soloといっても実質は1stとほとんど中身は変わりませんでした。僕の両隣の人は大変初見がきき、かつ音もしっかりしている(うまい)ので、僕が初見についていけなくて目を白黒させている間は本当に助けられました。

参加者は学校の先生や、バンドで指導的立場にあるような人が多く、レベルは非常に高かったです。みんなよくあれだけ初見がきくものだと感心します。

以下の曲を次から次へとこなしていって、1〜2時間の練習を2日間で計4回やっただけで2日目の夜には本番をこなしました。

1. Grand March, Florentiner (Julius Fucik)
2. Overture, Raymond Overture (Ambrose Thomas)
3. Circus March, Honey Boys on Parade (Edward Cupero)
4. Lyric Piece, The Last Spring (Edward Grieg)
5. Symphonic Scenario, Porgy and Bess (George Gershwin)
6. Marching Along a parade of marches by John Philip Sousa
7. March, Semper Fidelis (John Philip Sousa)

指揮をしたのは、元ワシントンDCの軍隊の音楽隊を指揮していたColonel John R. Bourgeoisで、ワシントンハウスで来賓が来た際によく演奏がありますが、それを指揮していたらしいです。

彼はきちっと練習を進めようとし、みんなもそれに応えようとし、また応えられる層がそろっているのかたった2日間で数時間の練習にも関わらずそれなりに曲が仕上がっていきました。指揮棒は使わず手だけで表現します。彼はこのスタイルが自分では良いと思っているとのことでした。

ポギーとベスのメドレーの中にTpのソロが2ヶ所でてくるのですが、初めの長いゆっくりしたソロは左隣の人が吹きました。昼間部でもう一つソロがあったのですが、初見で通した際ソロと気づかずそのまま僕が吹き始めると彼が吹かなかったため、自然に2つのソロを分担する形になりました。

ペニンシュラのバンドではいつも3rdを吹いているので、久しぶりのソロです。例によってかなり緊張しました。

"Sporting Life"という部分だったのですが、すんなり吹いていると右隣のTpの人からもっと抑揚を付けて吹いた方が良いとアドバイスされました。そこで3連符が続くところを膨らましたりちょっと装飾音を入れたりして変化を付けることにしました。ちょっと小細工するだけなのですが慣れていないものですから、結構疲れます。

こちらに来て感じるのですが、特にソロなどで抑揚をかなり大きく付けることが多いです。舞台では能などのように大げさに表現しないと観客まで伝わらないよとよく先生に言われてきたものですが、こちらの人が抑揚を付けて吹く理由の一つに言語の影響があるような気がします。

米語は特に我々にとってはレロレロしていて聞き取りにくいのですが、アクセントだけは異様にはっきり付けます。何もそんなに大げさに付けなくてもいいのにと思えるほど子音の発音がきついですし、母音も所々延ばします。

andも強調すると「あんど」ではなく「えーーんど」となったり、あちこち引っ張りながら話します。普段からこのような話し方をしていると自然と演奏にも表れるし、来ていても我々が思っている以上に抑揚・起伏が無いと物足りなく感じるのではないかと思います。

また音を延ばすところで、ちょっと音をベンド(音を少し下げて戻す)して吹くように変えたところ、Tpのメンツには受けが良かったのですが、指揮者からはやめてくれと注意されました。どうやら同じフレーズをリピートするのですが、1回目は普通に吹いてくれと言っていたようです。

そんなこんなで本番を迎え、例のソロのところでは日本のよく知っている皆さんの予想(ご期待?)通り、ビビリにビビリまくって音はかすれるは息は足らなくなるはで、いまいちの出来でした。でもみんなはgood sound だとか何とか言ってくれました。

アメリカ人はホントにいい人たちです。^_^;;