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5 Stikhotvorenija   Op.36
5つの詩

詩: バリモント (Konstantin Dmitrevich Bal'mont,1867-1942) ロシア

曲: プロコフィエフ (Sergei Prokofieff,1891-1953) ロシア ロシア語


1 Zaklinanie vody i ognja
1 火と水の魔法

Ja svet zazhgu,ja svet zazhgu na etom beregu.
Idi tikhon’ko.
Sledi,na kamne est’ voda,
Idi so mnoj,s ognem,tuda,s ognem,tuda.
Na belom kamne est’ voda,
Na belom kamne est’ voda.
Idi tikhon’ko.
Ruka s rukoj,ruka s rukoj,
Zdes’ kto-to est’ drugoj.
Idi tikhon’ko.
Tot kto-to,mozhet,slyshit nas.
Sledi,chtob svet nash ne pogas,
CHtoby voda ne prolilas’.
Tot kto-to,mozhet,slyshit nas.
Tot kto-to,mozhet,slyshit,mozhet,slyshit nas.
Idi tikhon’ko.
My svet nesem,my svet nesem,
Raby nam noch’ so dnem.
Idi tikhon’ko.
Sledi,ruka s rukoj tverda,na belom kamne est’ voda.
Sveti,idem s ognem tuda.
Sveti,sledi,sledi,sveti.
Idi tokhon’ko.
Idi tokhon’ko.
Idi tokhon’ko...

私は火をともす 私は火をともす この岸辺で
行け 静かに
見よ 石の上には水がある
行け 私と一緒に 火を持ってあそこに 火を持ってあそこに
白い石の上に水がある
白い石の上に水がある
行け 静かに
手に手を取って 手に手を取って
他の誰かが居る
行け 静かに
あの誰かが私たちの声を聞くかも知れぬ
気を付けよ 私たちの火が消えぬよう
決して水がこぼれぬように
あの誰かが私たちの声を聞くかも知れぬ
あの誰かが聞くかも 私たちの声を聞くかも知れぬ
行け 静かに
われらは火を運ぶ われらは火を運ぶ
われらの奴隷なのだ 夜も昼も
行け 静かに
気を付けよ 手と手を固く 白い石の上には水だ
輝け 行け 火を持ってあそこへ
輝け 気を付けよ 気を付けよ 輝け
行け 急いで
行け 急いで
行け 急いで...

2 Golos ptits
2 鳥たちの声

Ot lastochki do solov’ja
Vsja povest’ malaja moja.
Vesnu kasatka nachinaet,
A solovej konets ej znaet.
S kasatkoj pervoj v pervyj grom
Parnym umojsja molokom,
I budesh’ bel,ne budesh’ lishnij pred devoj,
Pod tsvetushchej vishnej.
Gnezdo,v kotorom malym raj,
U lastochki ne razorjaj,
Ne to pril’nut k tebe vesnushki,
Smejat’sja budut i durnushki.
Kogda zasvishchet solovej,
Vnikaj v tu pesnju,vver’sja ej.
No est’ i leshego v nej dudka.
Ne sleduj,eto zlaja shutka,
Julinaja est’ stukotnja.
Ne sleduj ej,pojmi menja.
No serdtsem slushajsja,raskata,
I schast’e rastsvetet bogato.
I est’ kukushki i perelet
V toj pesne,chto ljubov’ zovet.
Ne sleduj mudrosti kukushki,
I ne igraj v ljubvi igrushki.
Po solov’inomu zapoj
Do samoj vysi goluboj.
I znaj,chto svjatost’ gnezd-doroga
Do zvezd,do solntsa i do boga.
ツバメからナイチンゲールまでの
すべてこれが私の小さなお話だ
春はツバメで始まり
ナイチンゲールがその終わりを知る
もしもツバメが最初の嵐を運んで来たら
体を洗え 新しいミルクで
お前は白くなる 乙女にも負けぬほどに
桜の花の下の
巣を 小さな楽園を
ツバメたちの巣を壊すな
お前にそばかすがへばりついて
一番醜い娘からも笑われるぞ
ナイチンゲールが鳴く時には
じっくりと聴け その歌声を 心預けよ
だがそこには悪魔の笛の音も混じってる
ついて行ってはだめだ 邪悪な罠だから
ツグミがつついても
ついて行ってはだめだ 分かってくれ
鳴り響く鼓動を聞け 自分の心の中の
そうすれば幸せが豊かに花開くだろう
そしてあそこではカッコウが飛びながら
その歌声で愛を呼んでいる
従ってはいけない カッコウの悪知恵に
そして愛をおもちゃにするな
ナイチンゲールのように歌え
青空のてっぺんに届くように
そして知るがいい 聖なるその巣は道なのだと
星に 太陽にそして神に至る
3 Babochka
3 蝶々

Zheltokrylaja babochka,s detstva znakomaja,
Pokachalas’ po vetru i sela na mak.
Khobotkom govorit: “Posmotrite,zdes’ doma ja!
Vam privetstvennyj kryl’jami delaju znak.”

Pokivala,slozhila dva stjaga uzornye,
I zabylas’ v dremote pod zharkim luchom.
O,kak tjagostny nochi ljudskie i chernye.
O,kak bol’no dushe,rassechennoj mechom!

黄色い羽の蝶々 子供の頃からおなじみなのが
風に揺られて ケシの上に止まった
その口吻は言う:「見て ここが私の家よ!
あなたにご挨拶しましょう この羽根の合図で《

頷くと 模様のついたその羽をたたみ
われを忘れたのだ 熱い光の中のまどろみのうちに
おお 何と痛々しいのだ 人間の黒い夜は
おお 何と魂は痛むのだ 剣で切り裂かれて!
4 Pomni menja
4 私を忘れないで

Ja prines tebe vkradchivyj list,
Ja prines tebe prjanyj betel’.
Polozhi ego v rot,nasladis’,
Poljubiv menja,pomni menja.
Solntse vstanet li,pomni menja,
Solntse ljazhet li,pomni menja,
Kak ty pomnish’ ottsa ili mat’,
Kak ty pomnish’ rodimyj svoj dom,
Pomnish’ dveri i lestnitsu v nem,
Dnem li,noch’ju li,pomni menja.
Esli grom zagremel,vspomjani,
Esli veter svistit,vspomjani;
Esli v nebe sverkajut ogni,
vspomjani,vspomjani,vspomjani.
Esli zvonko petukh propoet,
Esli slyshish’,kak vremja idet,
Esli chas ubegaet za chas,
I bezhit,i vedet svoj raskaz,
Esli solntse idet za lunoj,
Bud’ vsej pamjat’ju vmeste so mnoj.
Stuk,stuk,stuk. Eto ja prikhozhu.
Stuk,stuk,stuk. Ja v okoshko gljazhu.
Slyshish’ serdtse? V nem stol’ko ognja.
Dushu chuvstvuesh’? Pomni menja!

私はあなたに持って来た 一枚のしなやかな木の葉を
私はあなたに持って来た スパイシーな胡椒の実を
それをあなたの口の中に入れて 味わって見て
私と恋に落ちるのなら 私を覚えていて
太陽が昇ったら 私を思い出して
太陽が沈んだら 私を思い出して
あなたが父さんや母さんのことを覚えているように
あなたの故郷の家のことを覚えているように
覚えているように その中のドアや階段のことを
昼も 夜も 私を忘れないで
雷鳴がとどろいたら 私を思い出して
風がうなったら 私を思い出して
稲妻がきらめいたら 私を思い出して
思い出して 思い出して 思い出して
雄鶏が大声で啼いたら
時が過ぎて行くのを聞いたら
そして時が刻々と流れ去るのを
流れて その物語を語ったなら
太陽が月の後を追って行くのなら
すべての記憶に 私を残して置いて
ノック ノック ノック 私が来ますよ
ノック ノック ノック 窓から覗いてますよ
聞こえますか 私の心臓の音が?そこでは火がたくさん燃えてます
魂を感じますか? 私を忘れないで!
5 Stolby
5 石柱

Pri more chernom stojat stolby.
Stolby iz kamnja. Chislo ikh vosem’.
Prikhodjat chasto sjuda raby.
I sonmy junykh nesut groby.
Blednejut zimy. I shepchet osen’.
Poroj i zveri sjuda dojdut.
Poroj primchitsja sjuda i ptitsa.
I zatoskujut. Chto delat’ tut?
Pojdut,zabrodjat i upadut,
I upadut,ustav stremit’sja,
Ustav kruzhit’sja.
Pri more chernom stojat stolby.
Ot dnej dodnevnykh. Chislo ikh grozno.
Chislo ikh veshche sred’ chisl sud’by.
I ikh znachen’e na krik mol’by:
“Navek. Bezglasnost’.
 Vrazhdebnost’.
 Pozdno. Pozdno.”
黒い海のそばに柱が立つ
石で作られた その数は八本
しばしばやって来る 奴隷たちがここに
それから若者の一団が運んで来る 柩を
冬は蒼ざめ そして秋はささやく
時には野獣どもがここにやって来る
時には鳥もここにやって来るだろう
そして嘆くのだ ここで何をする?
やって来て さまよい そして倒れる
そして彼らは倒れるだろう
疲れ果てて 飛び回るのにも
黒い海のそばに柱が立つ
日々また日々と その数は恐るべきものだ
その数は 運命のナンバーなのだ
そしてその意味は 祈りの叫びに向けて:
「永遠 沈黙
 敵意
 手遅れだ 手遅れなのだ《

1921年、ロシア革命で故国を逃れて西側でバリバリと活躍していた時代のプロコフィエフの作品、バリモントの上思議な情景描写の詩に印象派を思わせる繊細で幻想的なメロディがつけられています。歌うにはかなりの技巧とパワーが要りそうですがうまく歌えると絶大なインパクトです。高い声向きの曲が多いでしょうか。リリックなソプラノやテナーが力の限界をぶつけると演奏効果絶大となりそうです。
この歌曲、作曲者自身がフランス語に歌詞を訳したものもあってそちらで歌われることもあります。確かにメロディ的にはフランス語の方がしっくりくるような印象もあり、もしかしたらフランス語詩の方が作曲は先なのかも知れません。

( 2017.04.30 藤井宏行 )