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Four Songs from the British Isles  
ブリテン諸島の4つの歌

曲: ティペット (Sir Michael Tippett,1905-1998) イギリス 英語


England: Early one Morning (Folksongs)
イングランド:ある朝早く (英語の民謡)

Early one morning,just as the sun was rising,
I heard a maid sing in the valley below.
“Oh,don't deceive me,oh,never leave me,
How could you use a poor maiden so?”

“O gay is the garland and are the roses
I've culled from the garden to bind on thy brow.
O don't deceive me,O do not leave me!
How could you use a poor maiden so?

Remember the vows that you gave to your Mary,
Remember the bow'r where you vowed to be true.
“Oh,don't deceive me,oh,never leave me.
How could you use a poor maiden so!”

Thus sung the poor maiden,her sorrow bewailing,
Thus sung the poor maid in the valley below;
“O don't deceive me! O do not leave me!
How could you use a poor maiden so?”

ある朝早く ちょうどお日さまが昇った時に
私は聞いた ひとりの乙女が谷底で歌っているのを
「おお 私を騙さないで おお 私を捨てないで
どうしてあなたはこの哀れな乙女にそんなことができるの?」

「おお華やかな花輪 そしてバラたち
私は摘みました この庭から あなたの額を飾るために
おお 私を騙さないで おお 私を捨てないで
どうしてあなたはこの哀れな乙女にそんなことができるの?」

思い出して あの誓いを あなたがこのメアリーにくれた
思い出して あのあずまやを あなたが誠を誓ったところを
「おお 私を騙さないで おお 私を捨てないで
どうしてあなたはこの哀れな乙女にそんなことができるの?」

そんな風に歌っていた その哀れな乙女は 彼女は悲しみにくれていた
そんな風に歌っていた その哀れな乙女は 谷底で
「おお 私を騙さないで おお 私を捨てないで
どうしてあなたはこの哀れな乙女にそんなことができるの?」

Ireland: Lilliburlero (Folksongs)
アイルランド:リリブレロ (英語の民謡)

Lilliburlero bullen a la.

Ho! broder Teague dost hear de decree,Lillibur . . .
Dat we shall have a new deputie,Lilliburl . . .

Ho! by Shaint Tyburn't is de Talbote,Lillibur . . .
And he will cut all de English troate,
Lilliburlero bullen a la.

リリブレロ ブレン ラ

おい!兄弟よ 聞いたか あのお触れを リリブル...
われらは新しい代議員を得たのだという リリブル...

おい!聖タイバーン あれはタルボだ リリブル...
あいつは切り裂くだろう すべてのイングランド人どもの喉を
リリブレロ ブレン ラ

Scotland: Poortith Cauld (Robert Burns)
スコットランド:おお冷たい貧乏よ (バーンズ)

O poortith cauld,and restless love,
Ye wrack my peace between ye;
Yet poortith a' I could forgive
An 'twere na for my Jeanie.

Chorus:
O why should Fate sic pleasure have,
Life's dearest bands untwining?
Or why sae sweet a flower as love,
Depend on Fortune's shining?

This warld's wealth when I think on,
Its pride,and a' the lave o't;
My curse on silly coward man,
That he should be the slave o't.

Her een sae bonie blue betray,
How she repays my passion;
But Prudence is her o'erword ay,
She talks o' rank and fashion.

O wha can prudence think upon,
And sic a lassie by him:
O wha can prudence think upon,
And sae in love as I am?

How blest the wild-wood Indian's fate,
He wooes his simple Dearie:
The silly bogles,Wealth and State,
Did never make them eerie.

おお冷たい貧乏よ そして救いのない愛よ
お前たちはぶち壊す 私の安らぎを お前たちの間で
だが 貧乏はまだ許せたのだろうけれど
それがわがジーニーのせいでなかったのなら

コーラス:
おお なぜ運命はそんな喜びを持っているのか
人生の最愛の絆を解いて?
おお なぜあんなに愛らしい一輪の花は 愛のように
頼っているのか 運命の輝きに?

この世の富は 私が思うに
誇りと愛からできている
愚か者にかけられたわが呪いは
その奴隷にならねばならぬことなのだ

彼女の目はとても可愛らしい青
どれほど彼女は応えてくれることか 私の情熱に
けれど慎重さが 常に彼女のリフレイン
彼女が話すのは身分とファッションのこと

おお だれが慎重さなんて考えられるんだ
こんな女の子がその横にいるのに?
おお だれが慎重さなんて考えられるんだ
こんなに愛してるのに 私のように?

何と恵まれていることか 森のインディアンの運命は!
そいつは求愛するんだ 素朴な恋人に
富と地位の愚かな亡霊は
決してそいつを怖がらせはしない

Wales: Gwenllian (Folksongs)
ウェールズ:グウェンリアン (英語の民謡)

Gwenllian,O my heart's delight.
You sleep unmov'd by wars command
and hold your small red-yellow apple in your hand.
Your baby cheeks,so rosy red and bright,
your heart so happy day and night.
Gwenllian,O my heart's delight.
Forget our world of woe,
O bless'd princess within your cradle,
Where you hold an apple
that is all your earthly care.
Your brothers battle bravely,
for your father's sword is at his thigh,
but you are sound asleep
and dreaming where you lie.
Gwenllian,O heart's delight.
The land shakes now with noise of Norman war.
O angels guard thy father's door!
To sleep so healthily content;
The Queens of highest line
would all forgo their thrones
for bed of such a babe so small.
Gwenllian,O my heart's delight.

グウェンリアン おおわが心の喜びよ
お前は眠る 戦の支配に悩まされることもなく
握りながら お前の小さな赤黄色のリンゴを手の中に
お前の赤子の頬は バラ色に赤く明るい
お前のハートはとても幸せだ 昼も夜も
グウェンリアン おおわが心の喜びよ
忘れなさい 苦しみのこの世は
おお祝福されたプリンセスよ 揺りかごの中の
お前がリンゴを持っているところ
そのリンゴだけがお前のこの世の気がかりなのだ
お前の兄たちは勇敢に戦っている
なぜならお前の父の剣はその腰にあるからだ
けれどお前はぐっすり眠っている
そして夢見てる 横になって
グウェンリアン おおわが心の喜びよ
この地は今揺れている ノルマン人との戦争の喧騒に
おお天使たちよ 護り給え お前の父の戸口を!
眠るために 健やかに満ち足りて
最も高貴なる女王たちでさえも
みなその王冠を手放すことだろう
この小さな赤子のベッドと引き換えに
グウェンリアン おおわが心の喜びよ


アカペラの合唱に編曲されたブリテン諸島各地の良く知られた歌たちです。1曲目と2曲目は日本人にもおなじみのメロディではないでしょうか。ティペットの編曲は元歌を少々いじり過ぎてその魅力を損なっているような感じもしなくはないですが美しいです。

( 2016.11.05 藤井宏行 )