Five Little Japanese Songs |
5つの小さなジャパンの歌 |
1 Yo San
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1 ヨーさん
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With your face of tan, And your dear little eyes peeping over your fan, What a roguish way, On this golden day, You have found with my heart,with my poor heart to play! In the cherry-boughs sing All the birds of Spring, And the little brooks tinkle as they ripple and ring; But match,if you can, In the land of Japan, The music of the laughter of my little Yo San! |
日焼けした顔をして そしてお前のかわいい小さな目は 扇の上から覗いてる なんていたずらっぽいやり方だ この輝く日に お前は見つけたんだ この心で この哀れな心で遊ぶことを! 桜の枝で歌ってる 春のあらゆる鳥たちは そして小川はきらめく 波打ちさざめく時に だが良く似合う お前ができるなら このジャパンの土地には 私のかわいいヨーさんの笑いの音楽が! |
2 When the Almond-Blossoms Fall
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2 アーモンドの花が落ちる時に
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By the creamy garden wall, And the cherry-blooms float down like flakes of snow, There's a road I always take, When the day begins to break - 'Tis the road that leads along to Tokio! Ah! the wonder of it all When the almond-blossoms fall - 'Tis the road that leads to little,dear Yo san. In the shining morns of Spring How my heart begins to sing, As I tread the dearest road in all Japan! |
クリーム色の庭の壁のそばで そしてチェリーの花が 雪の薄片のように舞い散る時に 私はいつも通る道がある 一日が明け始める時に - それはトキオに向かって続く道だ! ああ!何とも不思議なこと アーモンドの花が落ちる時 - それはかわいい 愛しいヨーさんのところへ向かう道 春の輝く朝 なんと私の心は歌い始めるのだろう ジャパン中で一番素敵な道を歩く時! |
3 Little Dove
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3 かわいい鳩
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you can plunder My poor heart of all its love! Come and pilfer What you will,for I am willing,little dove! Rob me always - Not in small ways, But take all the love you can :- All my heart,love, Not a part,love, Ah,my dearest,dear Yo San! |
お前が奪えるのは 私の哀れな心からすべての愛を! さあ 持って行け 望みのままに もちろん 私は喜んでやる かわいい鳩よ! 奪うがいい 私からいつでも - ささやかなやり方でなく 持って行け お前ができるだけたくさんの愛を: - すべて私の心は 愛する人よ 一部ではなく 愛する人よ ああ 私の最愛の人 愛しのヨーさん! |
4 I Sometimes Wonder
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4 私は時々不思議に思う
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The dimple in your chin, That tiny place upon your face Where my heart tumble in! I sometimes wonder from what bird You robbed your rippling song; You are a thief,'tis my belief, Yet,dear,you did no wrong! |
お前のあごのえくぼを お前の顔の上のその小さな場所に 私の心は転がり落ちて行くのだ! 私は時々不思議に思う 何の鳥から お前は奪ったのかと お前の波打つ歌を お前は泥棒だ それは間違いない けれど 愛しい人 お前は何も悪くない! |
5 There are Maidens in Japan
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5 たくさんの乙女たちがいる ジャパンには
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In the town of Tokio, Little geisha girls and girls of high degree; There are maidens in Japan Who can conquer any man - But you,my dear,are good enough for me! O the almond-blossoms white Make me tremble with delight, But their perfume is no sweeter than your breath. There is nothing like your kiss, Little Dresden-china miss, And I'll love you,love you,love you until death! |
このトキオの町には リトル・ゲイシャ・ガールズや高い身分の娘らだ ジャパンには娘がいる どんな男でも屈服させることのできる - だがお前が わが愛しの人よ 私にとっては十分だ! おおアーモンドの白い花よ 私を喜びで震えさせてくれ だがその香りは少しも甘くはない お前の吐息ほどには 何もないのだ お前のキスほどのことは 小さなドレスデンの磁器よ - 娘よ お前を愛してる お前を愛してる お前を愛してるよ 死ぬまで! |
かわいいジャパニーズガール、ヨーさんに寄せる愛の歌5篇、どこか稚拙な感じの詩なのは詩人の能力不足というよりは、そのようにわざと書いたのでしょう。そういう意味ではどこか悪意のようなものも感じるのですが、まあこの少々ズレたオリエンタリズムも大人の余裕で楽しみましょう。詞を書いたチャールズ・ハンソン・タウンはニューヨークの生まれで、日本にはあまり縁がなさそうな感じの略歴の人でした。音となって聴けるのはまず不可能だとは思いますが、IMSLPに楽譜がアップされていたのを興味深く見せて頂きました。
彼女の代表作のインドの歌同様、ほのかな東洋風のキッチュさが感じられるところもあるものの、基本はガチガチのイギリス歌曲です。
( 2016.11.04 藤井宏行 )