童謡百曲集 第3巻 続き |
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51 河原鶸(かわらひわ)
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朝から ビーン ビン ビン ビーン 糸ひく ビーン より糸 ビーン ビン ビン ビーン お天気 見てゐちゃ 糸ひく ビーン |
52 箱根の山
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狐が啼いた とんがり口して コーンと啼いた とんがり口して コーンと啼いた 懸巣が真似して コーンと啼いた ほんとの狐と 狐が思つた とんがり口して コーンと啼いた |
53 鼠の小母さん
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ちよつと通つた 鼠の小母さん 蝙蝠さん いまここ鼠が ちよつと通つた 鼠の小母さん 蝙蝠さん 御門(ごもん)の扉を 見やしやんせ お月さんがちよつと出て ちよつと射した 月夜になつたら 蝙蝠さん 鼠もちよつと呼んで ちよつと遊ぼ |
54 海坊主小坊主
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海坊主 出たぞ 小坊主の先に 海坊主 出たぞ カンカラカンカラカン 海坊主 小坊主 小坊主も出たぞ カンカラカンカラカン |
55 かくれんぼ
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かくれんぼ出て来(こ) 出て来 かくれんぼ 鼻緒が燃える 下駄に火がつく 鬼さん留守だ 出て来 かくれんぼ かくれんぼ出て来 |
56 雲雀の水汲み
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お日さま高いぞ さつさと 水汲め 水なし畑に 畑がなるまで さつさと 水汲め お日さま高いぞ お日さま高いぞ さつさと 水汲め 水なし畑に 畑がなるまで さつさと 水汲め |
57 子鳩の歌
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野に寝た 子鳩 帰れ 子鳩よ もどれよ 山へ はぐれ子鳩に なるから 帰れ 野には 野狐 畑にや鼬(いたち) 鼬ア啼いたぞ 戻れよ 子鳩 狐ア来るから 帰れよ 子鳩 |
58 兎のダンス
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タラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラ 脚で蹴り蹴り ピョツコ ピョツコ 踊る 耳に鉢巻 ラッタ ラッタ ラッタ ラ ソソラ ソラ ソラ可愛いダンス タラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラ とんで跳ね跳ね ピョッコ ピョッコ 踊る 脚に赤靴 ラッタ ラッタ ラッタ ラ |
59 榧の實
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榧(かや)の實 拾ろた たんこ たんこ たんこ たんころたん と たたく 烏ア 榧の實 たんころたん と たたく たたけ たんこ たんこ たんころたん と たたけ 烏ア 榧の實 畑で 拾ろた |
60 赤とんぼ
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赤とんぼ 金魚屋の 金魚は 何してた みんなで並んで 水呑んでた つんつん 飛んでる 赤とんぼ 鳥屋(とつとや)の 鶏(とつと)は 何してた みんなで並んで ねんねしてた |
雨情の童謡詩で面白いのは擬音の使い方ですね。海坊主の登場に「カンカラカンカン」なんて使うのはなかなかない発想だと思います。この曲かなり変な音楽のように思うのですが、とらえどころのなさが逆に魅力だからでしょうか。雨情-耕筰の作品としては比較的良く取り上げられます。他にこの第3巻の雨情の10曲で興味深いのは、マーラーの歌曲のような諧謔味が面白い「鼠の小母さん」、中山晋平の景気の良い歌に比べるとちょっと品の良い「兎のダンス」、露風の詩による有名な「赤とんぼ」とはまったく違う飄々とした雨情の「赤とんぼ」と言ったところでしょうか。
( 2015.10.31 藤井宏行 )