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Offrandes  
オフランド

曲: ヴァレーズ (Edgard Victor Achille Charles Varèse,1883-1965) フランス フランス語


Chanson de la-haut (Vicente Huidobro)
天の上の歌 (ウィドブロ)

La Seine dort sous l'ombre de ses ponts.
Je vois tourner la terre
Et je sonne mon clairon
Vers toutes les mers.

Sur le chemin de ton parfum
Toutes les abeilles et les paroles s'en vnt.
Reine de l'Aube des Pôles,
Rose des Vents que fane l'Automne!
Dans ma tête un oiseau chante toute l'année.

セーヌはまどろむ 橋の影の下
私は見る 地球が回転するのを
そして鳴らす 私のラッパを
すべての海に向かって

その香りの道の上を
ミツバチと言葉のすべてが飛び交っている
女王よ 極地の夜明けの
バラよ 秋に萎れる!
私の頭の中で一羽の鳥が歌う 一年中
La Croix du Sud (José Juan Tablada)
南十字星 (タブラダ)

Les femmes aux gestes de madrépore
Ont des poils et des lèvres rouges d'orchidée.
Les singes du Pôle sont albinos,
Ambre et neige et sautent
Vêtus d'aurore boréale.
Dans le ciel il y a une affiche
D'Oléo margarine.
Voici l'arbre de la quinine
Et la Vierge des douleurs.
Le Zodiaque tourne dans la nuit de fièvre jaune.
La pluie enferme tout le Tropique
Dans une cage de cristal.
C'est l'heure d'enjamber
Le crépuscule
Comme un zèbre vers l'Île de jadis
Où se réveillent les femmes assassinées.

女たちは珊瑚の仕草
蘭のように赤い髪と唇
極地の猿はまだら模様
琥珀色と雪の色の 跳ね回り
オーロラに身を包んでいる
天空には一枚のポスター
オレオ・マーガリンの
ここにはキニーネの木
そして悲しみの聖母
十二の星座は巡る 黄熱の夜の中を
雨は熱帯をすっかり閉じ込める
水晶の檻の中に
今は乗り越える時だ
黄昏を
ちょうど一頭のシマウマがかつての島に向かうように
殺された女たちが目覚める島に

Vicente Huidobro (1893 - 1948) はチリのシュルレアリスト詩人 ノーベル文学賞まで取った人なのだそうですが私は知りませんでした。José Juan Tablada(1871 - 1945)は同じくメキシコのシュルレアリスト。どちらもラテンアメリカの人ですから詩はスペイン語のはずですがヴァレーズの曲をつけた詩はいずれもフランス語です。誰か訳した人がいるのではと思い調べてみましたが不明でした。もしかしたら作曲者自身の訳かも知れず、そうだとするとまだしばらく著作権は切れておりませんが、原詩人の著作権は切れておりますことから掲載させて頂くこととしました。オフランドとはフランス語で「捧げもの」の意味です。1921年の作曲で、それぞれ3分ほどの室内オーケストラとソプラノ独唱による曲。室内オーケストラでも打楽器や金管楽器を派手に鳴らして賑々しい音楽にするのがヴァレーズ流、色彩感に溢れたとてもきらびやかな音楽です。

( 2015.08.31 藤井宏行 )