Sanger vid havet |
歌曲集「海に寄せる歌《 |
1 Ute i skare (Ebba Lindqvist)
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1 島々の間で (リンドクヴィスト)
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その時震える草は歌い、太陽は眠っている。 そして我々ははるか沖の島々へ向かってゆく、 光が海に溢れ、蜃気楼がきらめき、 砕ける波の泡が運ばれてくる。 一日がやってくる、その時風はやんでいる、 その時震える草は歌い、太陽は眠っている。 |
2 Nocturne (Edith Irene Södergran)
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2 夜想曲 (ショーデルグラン)
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nattens blåa bölja, glittervågor utan tal på varandra följa. Skuggor falla över vägen, strandens buskar gråta sakta, svarta jättar strandens silver vakta. Tystnad djup i sommarens mitt, sömn och dröm,- månen glider över havet vit och öm. |
夜の青い波、 幾筋もの影が 道に降り注ぐ、 岸辺の茂みが 静かにすすり泣く、 黒い巨人達が岸辺の銀を夜通し守る。 夏の真夜中の深い沈黙、 眠りと夢と− 月が海の上を滑りゆく、 白くそして優しく |
3 Havets visa (Hjalmar Robert Gullberg)
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3 海の歌 (グルベリ)
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Berget och skogen må andra prisa. Från kväll till gryning,i sömn och vaka med strandens gryning mitt hjärta slår. Vänner och maka fick jag försaka. Men havets visa läkte mitt sår. Och skepp nå hamnen och skepp förlisa. Dyningens visa viskar mig namnen. Från urtidsnatten hör jag hans stämma. som delar vatten och skapar ljus. Vad kan mig skrämma? Här är jag hemma i fadershamnen vid havets brus. |
他の多くの人は山や森を讃える。 夕べから夜明けまで、寝ても醒めても 海岸の夜明けはわたしの心を打つ。 わたしは友も妻もあきらめなければならなかった。 けれども海の歌はわたしの傷をいやしてくれた。 そして舟が港に着き、そして難破してゆく。 大波の歌がわたしの吊前をささやく。 太古の夜からわたしはその声を聞いている。 それは水を裂き光を作り出している。 誰がわたしをおびえさせるのか! ここはわたしの家だ。 荒波の中の父なる港にあるのだ。 |
4 Jeg har ett hem vid havet (Ragnar Jändel)
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4 わたしは海の見える家にいた (イエンデル)
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Ensamt ligger det på sluttningen långt från grannar som ett fågelnäste bland bergen. Här är mitt hem,här går jag och arbetar Här glömmer jag mig själv och är så lycklig. Jag reder nya blomstersängar varje höst och möter nya vänners ögon varje vår. Men ibland är allt bara som en barnslig dröm, Och jag hör en röst,stark och kallande: Var är du? Var gömmer du dig? Icke är du hemma här. Icke är detta ditt. Jag har ett hem vid havet. Ensamt ligger det på sluttningen långt från grannar som ett fågelnäste bland bergen. |
それは人里離れた丘の斜面にひっそりと立っていた 山の中の鳥の巣のように。 ここがわたしの家だ、ここでわたしは働き続ける。 ここでわたしは我が身を忘れる、そしてそれは幸福なことだ。 わたしは秋ごとに新しい花壇をこしらえる そして春ごとに新しい友達と出会う。 けれども時々全てがただ子供じみた夢のようになる、 そしてわたしはある声を聞く、強く、高圧的な。 ”おまえはどこだ? おまえはどこに隠れている? ここはおまえの家ではない。ここはおまえのものではない。” わたしは海の見える家にいた。 それは人里離れた丘の斜面にひっそりと立っていた 山の中の鳥の巣のように。 |
5 Jeg väntar månen (Unknown)
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5 わたしは月を待つ (上詳)
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En sorg låg tung på mina ögonlock. I andras ögon törs jag inte se. Man vill mig väl,men hjälp kan ingen ge. Min enda trötst kan jag vid havet få. Jag skyndar dit,när mörkret faller på. Jag väntar månen,vännen i all nöd. Med honom kan man tala om en död. |
ある悲しみがわたしの瞼の上に重く横たわる。 わたしは他の人の目を見ることができない。 人々はわたしの幸運を願う、しかし誰も助けることはできない。 唯一の慰めをわたしは海で見つけることができる。 わたしはそこへ急ぐのだ 暗闇が下りてくる時には わたしは月を待つ、本当に必要な友を。 彼とともにわたしは死について語ることができる。 |
ニューストレームは今世紀前半に活躍したスウェーデンの作曲家で、フランス音楽の影響を受けた。彼はアルヴェーンと同じように海に創作の源を求めた作曲家で、管弦楽では代表作として「海の交響曲《や「北氷洋《などを書いた。代表的な歌曲集が「海に寄せる歌《で、ニューストレームの代表作であると同時に今世紀前半のスウェーデンの歌曲の中でも特筆されるものの一つである。この曲集は5つの海にちなんだ詩に曲をつけたもので、管弦楽伴奏とピアノ伴奏とがある。詩はどれも大自然に対峙した人間の孤独、あるいは孤独を癒すために海にとりつかれた男たちの心情を描き尽くしている。ニューストレームの曲は第3曲を除くと朗詠調のものだが、印象派的な色彩感あふれる管弦楽伴奏が魅力的で彼の管弦楽曲を上回るものがある。CDとしては管弦楽伴奏が初演者アウリッキ・ラウタヴァーラ(S)(Swedish Society Discofil、モノ)とローゼマリー・ラング(Ms)(BIS)があり、一般的には録音が良いラング盤だろうが、個人的にはラウタヴァーラの歌に惹かれる。ピアノ伴奏はかなり地味だが、ニューストレームのオーケストレーションの妙を実感する意味で、一聴の価値はある。
( 1999.10.10 小林幸也 )