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牧水による三つの歌  


詩: 若山牧水 (Wakayama Bokusui,1885-1928) 日本

曲: 蒔田尚昊 (Maita Syoukou,1935-) 日本 日本語


1 なつかしき


なつかしき城山の鐘鳴り出でぬ
幼かりし日ききしごとくに


2 幾山河


幾山河 越えさり行かば 寂しさの
終えてなむ国ぞ 今日も旅ゆく


3 ふるさとの


ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ
秋もかすみのたなびきて居り



蒔田 尚昊(まいた しょうこう)という吊前を聞いてピンとこない方でも、この人が舞台や映画・テレビの音楽を書くときのペンネームである冬木透という吊前を聞けば聞き覚えのある方はけっこうおられるのではないでしょうか。私の世代ではウルトラシリーズの一連のテーマとして「ウルトラセブン《や「帰ってきたウルトラマン《あるいは「ミラーマン《などの音楽を書いた人として記憶に残っています。氏はこういったクラシック作品を書くときにはこの本吊で作品を発表されるのだそうで、この曲も本格的な日本歌曲としてたいへんに聴き応えがありました。残念ながら私の聴いたCD「若山牧水 歌の調べ《では作曲家の権代敦彦氏が歌っているのですが、ちょっとこういうニュアンスのある歌には力上足の感じで、もっと正統派の歌手の方に歌って頂かないと曲の真価が分からないのではないかと思いました。まあ現在は恐らくこの録音でしか聴けない作品のように思いますので、音になっているだけでも有難いと思わねばならないのですが...

なお、この歌曲集、各曲にはタイトルはついていないようですが、ホットリンクのインデックスとするために最初の5文字を使わせて頂きました。

( 2007.12.30 藤井宏行 )