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Las horas de una estancia   Op.11
ある農園での一日

詩: オカンポ (Silvina Ocampo Aguirre,1903-1993) アルゼンチン

曲: ヒナステラ (Albert Ginastera,1916-1983) アルゼンチン スペイン語


1 El alba
1 日の出

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
翼という名を持っていた その農場は
遠くにぽつんと浮かんだ孤島のように見える
散らばった染みは アマポーラの花たちの
千切れた雲が地上に残ったようだった
幸せな歌で 私の空に
パティオと貯水槽に私は感謝する
この夜明けの光の中

バラの茂みも伸びる まるで枝がないかのように
さらにスイカズラは登ってゆく あずまやの上まで
そしてゆっくりと その編み込みの揺り椅子の上で
目覚めるのは優しげな女
私は金色の輝きだ ブラインドでの陰で待っている

私は想いに耽る 田舎娘たちを見ることもなく
優しい挨拶をしてくれている
目を眩ませながら 見えない行列に
手を挙げて目を伏せ
牝牛たちを探して刈られた野に向かっている

(詞は大意です)

2 La mañana
2 朝

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
砂塵はまるで煙のように見える
車輪が巻き上げた
馬たちは怯えてはいない
テラコッタではひとりの女がため息つき
そして穏やかな両手のひらを伸ばしている
ここではバラが最もバラらしく
そして最も甘くて長い午後が
沈黙の形が最もよく聞こえる
カササギの知恵に満ちた歌
そして牛の神聖なイメージ
そして木とその影 私が尊敬する

(詞は大意です)

3 El mediodía
3 正午

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
私はなおざりにはしない 恐るべき嵐を
またなおざりにはしない 鳥類学も
植物学の膨大な種別も
私は眠らせる 虫だらけの羊を
黒い糸を片方の耳に結んで

私にはたくさんある 忠実な単調さが
ゆっくりと時は過ぎる 控えめな対話で
かごの中の果物
影の中の感傷的な声
そして私を驚かせる感傷で

黒いモクマオウと敷居は
この戸口の 私を恐れさせる
シエスタの儀式の始まりは
静かに私を待っている
愛と雄弁のうちに

(詞は大意です)

4 La Tarde
4 午後

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
ユーカリの長い並木道を
馬車と秋と
さびた色の木の葉といくつかのリボン
飛び去って行く 風と一緒に
閉じこもって部屋の中に残るだろう
太陽のように
青いフィールドのように パラソルの
牛の悲しげな鳴き声のように

シエスタの時間 髪を梳いて
動きのない闇の中
一輪のバラは夜の白さ
そして震えながら
過去を夢見るのだ 彼女を燃え立たせる
閉ざされた部屋の中 聞えて来る
遠くの音楽の唸りが
遥か遠くの未知の記憶の

妊婦とそして一月は
私のものなのだ
そしてハエども 骨
それから腐って衰えた花
アリが巣に運んで行くような

(詞は大意です)

5 La noche
5 夜

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
私は夢だ エリサとミカエラの
そして夜露 ディアメラを求める
私の時には コウモリの羽が飛ぶ
髪が震える
ゆっくりとアジサイが回復する

私の夜は浜辺がない 大海原のように
部屋に入る 眠っている小作人の
彼に夢を諦めさせ 放心させ
あるいはしつこく静かな環境の中で
彼の腕の姿勢を変えるのだ

私の夜は邪魔されることはない
列車にも多くの家にも
私の夜は無限に衰える
静かな鳩の羽とともに
ゆっくりとラグーンに近づいて行く
そして泥の底に月たちを置いて行く

(詞は大意です)


農場(エスタンシア)を舞台にした1日のうつろい。詩が難解でよく情景をとらえきれなかったところもありますが、不思議な雰囲気を漂わせています。音楽の方もいつもの歯切れの良いヒナステラ節は炸裂せず、幻想的なメロディが終始流れて行きます。

( 2021.05.22 藤井宏行 )