TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Iz Jevrejskoj Narodnoj Po`ezii   Op.79
ユダヤの民族詩より

詩: 民謡詞 (Folktune,-) 

曲: ショスタコーヴィチ (Dimitry Shostakovich,1906-1975) ロシア ロシア語


1 Plach ob umershem mladence
1 死んだ赤ん坊を嘆く

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
お日様と雨
光と暗闇
もやが降りてきて
月が霞んだ

生まれた子は誰だい?
男の子、男の子さ
名前は何と付けた?
モイシェレ、モイシェレさ

どこでモイシェレをあやすのさ?
揺りかごの中さ
何を食べさすのさ?
パンとネギだよ

どこに埋めるのさ?
墓の中だよ
おお、その子は墓の中、墓の中
モイシェレは墓の中、ああ!

2 Zabotlivyje mama i tjotja
2 心配性の母と叔母

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらにリンゴを持ってきて
目玉が痛くならぬよに!
さあ

さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらにめんどり持ってきて
歯が痛くならぬよに!
さあ

さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらにアヒルを持ってきて
胸が痛くならぬよに!
さあ

さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらにガチョウ持ってきて
おなかが痛くならぬよに!
さあ

さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらに種を持ってきて
頭が痛くならぬよに!
さあ

さあ さあ さあ
村まで とうちゃん、行っといで!
わしらにウサギを持ってきて
指が痛くならぬよに!
さあ

3 Kolybel'naja
3 ゆりかご

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
世界で一番可愛い私の坊や
暗闇の中のたったひとつの光よ
お前のとうさんはシベリアで鎖に繋がれ
皇帝さまの牢屋に入れられているのよ
お眠り、よし、よし、よし

お前の揺りかごを揺すりながら
かあさんは涙を流しているのよ
お前も大きくなったら分かってくれるね
この胸の焼けるような痛みを

お前のとうさんは遠くシベリアで
わたしはここで、ひとり苦しむ
お眠り、何も気にすることなしに
よし、よし、よし

わたしの苦しみは夜より深いけれど
お眠り、私は眠れないけれど
お眠り、良い子、お眠り、坊や、お眠り
よし、よし、よし

4 Pered dolgoj razlukoj
4 長いお別れの前に

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
ああ、アブラハム、あなたなしでどうやって生きてくの
あなたのいないあたし あたしのいないあなた
別れ別れになって どうやって生きていくの?

でも覚えてるかい、戸口に君と立っているとき
そっと君がぼくに言った言葉を?
ああ、ああ、リヴォーチカ、キスしてくれよ、可愛い娘

ああ、アブラハム、これからどうすればいいの?
あなたのいないあたし あたしのいないあなた
ノブのないドアになったみたいよ

でも覚えてるかい、君とふたりで歩いているとき
君が並木道でぼくに言った言葉を?
ああ、ああ、リヴォーチカ、キスしてくれよ、可愛い娘

ああ、アブラハム、あなたなしでどうやって生きてくの
あなたのいないあたし あたしのいないあなた
幸せもなしで どうやって生きていくの?

ああ リヴォーチカ 君なしで どうやって生きていけるのか
君なしのぼく ぼくなしの君
別れ別れになって どうやって生きていけるのか?

覚えてる あたしが赤いスカートはいていたのを?
ああ あたしがとっても奇麗だったことを
ああ アブラハム ああ アブラハム

ああ、ああ、リヴォーチカ、キスしてくれよ、可愛い娘

5 Predosterezhenije
5 警告

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
聞きなさい カーシャ
遊び歩きはいけないのよ
遊び歩きは危ないのよ
誰と一緒でも遊び歩きは
やめなさい!やめなさい!

遊び歩きに出かければ
朝まで遊んでしまう、ああ
そしたら後で泣くことになるのよ
カーシャ、聞きなさい、カーシャ

6 Broshennyj otec
6 捨てられた父親

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
ほら 屑屋さん、ガウンを着なよ
あんたの娘が警官と駆け落ちしたって皆言ってるよ

  ツィーレレ、娘や、父さんのところへお戻り
  奇麗な晴れ着を買ってやるから
  ツィーレレ、娘や、
  お前にイヤリングも指輪も買ってやるから
  ツィーレレ、娘や、
  それにいい男も見つけてやるから
  ツィーレレ、娘や、

あたし、晴れ着は要らないわ
あたし、指輪も要らないわ
このお巡りさんとしか
あたしは結婚しないのよ
お巡りさん
お願い 早く
追い払ってちょうだい
この老いぼれユダヤ人を

  ツィーレレ 娘や!父さんのところへお戻り

7 Pesnja o nuzhde
7 貧乏についての歌

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
屋根は屋根裏部屋の上で眠る
わらの下で静かな眠りを
小さな揺りかごの中、赤ん坊が眠る
オムツもつけず 素っ裸で眠る

そら、そら、上だ!
ヤギが屋根のわらをたべてるぞ
そら、そら、上だ!
ヤギが屋根のわらをたべてるぞ、ああ!

揺りかごは屋根裏部屋の中
蜘蛛がその中に不幸の巣を張る
おれの幸せを吸い取って
貧乏だけを残してくれる

おんどりも屋根裏部屋の中
きれいな真っ赤なとさかをしてる
おい、おっかあよ、ガキどものために
干からびたパン切れを借りて来い

8 Zima
8 冬

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
おれのシェインドルはベッドの中で
病気の子供と一緒に寝てる
冷え切った小屋にはたきぎのかけらもなく
風は壁の向こうで唸っている
ああ

寒さと嵐が戻ってきた
もう黙って耐える力もない
叫べ、泣け、子供たちよ
冬が再びやってきたぞ
ああ

9 Khoroshaja zhizn'
9 良い暮らし

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
この広い畑のことを、友よ
俺は歌にはしなかったのだ、あの苦しい年月には
俺のために畑が実ったのでも
俺のために露が落ちたのでもなかった時には
じめじめとした暗い地下室のようなところに
俺はかつて暮らし、貧しさに苦しんでいたのだ
地下室からは悲しい歌しか湧き出さない
俺の悲しみや苦しみの歌しか

コルホーズの川よ、楽しく流れろ
俺のあいさつを 友達に早く伝えてくれ
伝えてくれ 、コルホーズには今、俺の家があって
その窓辺には花咲く木々があることを
今、畑は俺のために色づき
ミルクやハチミツをたっぷりくれる
俺は幸せだ、だから川よ、友達に言ってくれ
このコルホーズの畑のことを 俺は歌にするのだと

10 Pesnja devushki
10 娘の歌

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
森の近くの牧場の上は
いつも物思いにひたるにはうってつけ
あたしたちは朝から晩まで世話をする
コルホーズにいる牛たちの世話を

あたしは丘の上に座っているわ
あたしのそばには愛用の笛
いつまでたっても見飽きない
あたしの故郷のこの景色

明るい木々の緑色
とても奇麗で、整っていて
畑に色づく小麦の穂は
とっても素敵

ああ、ああ、ラ ラ ラ

小枝があたしに微笑み
穂先があたしにウインクする
とっても大きな幸せが
心の中ではじけるの

歌って、あたしの大事な笛よ
一緒に歌うのは簡単よね
山も谷間も聴いてくれている
あたしたちが楽しく歌っているのを

泣くのだけはだめ、笛よ
昔の悲しみは忘れるの
お前の穏やかな調べを
遠くまで聞こえるように歌うのよ

ああ、ああ、ラ ラ ラ

このコルホーズであたしは幸せ
このとおり、暮らしは満ち足りてる
もっと陽気に、陽気に、笛よ
お前は歌っておくれ

11 Schast'je
11 しあわせ

詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
私は夫の腕を取り歩く
私も年寄りだし、私の騎士様も年寄りだけど
二人で連れ立ち、劇場に行って
一階席の券を二枚買ったよ

夜遅くまで、二人そこに座って
素敵な夢に浸っていたよ
幸せなこと一杯に囲まれた
ユダヤ人の靴屋の妻は

国じゅうに話してやりたいよ
私たちの明るい、輝く未来をね
私らの息子たちは医者になったのさ
私らの上には星が輝いているんだよ


個々の曲にコメントを記載しています。作曲家のページよりご覧ください。
   Dimitry Shostakovich ショスタコーヴィチ

( 2006.02.16 藤井宏行 )