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Erwartung    
  Gedichite von Eichendorff für eine Singstime und Klavier
期待  
     アイヒェンドルフ歌曲集

詩: アイヒェンドルフ (Josef Karl Benedikt von Eichendorff,1788-1857) ドイツ
    Gedichte - 4. Frühling und Liebe  Steckbrief

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Grüß euch aus Herzensgrund:
zwei Augen hell und rein,
zwei Röslein auf dem Mund,
Kleid blank aus Sonnenschein!

Nachtigall klagt und weint,
wollüstig rauscht der Hain,
alles die Liebste meint:
wo weilt sie so allein?

Weil's draußen finster war,
sah ich viel hellern Schein,
jetzt ist es licht und klar,
ich muß im Dunkeln sein.

Sonne nicht steigen mag,
sieht so verschlafen drein,
wünshcet den ganzen Tag,
daß wieder Nacht möcht' sein.

Liebe geht durch die Luft,
holt fern die Liebste ein;
fort über Berg und Kluft!
und sie wird doch noch mein!

おまえたちに心からの挨拶を:
明るく澄んだ二つの瞳よ
口元の二枚の薔薇の花びらよ
陽光に映える白いドレスよ!

ナイチンゲールは嘆き泣きぬれ
林は官能に酔いしれている
すべてのものが僕に愛する人を想わせる:
あの人はひとりでどこにいるのだろうか?

外が真っ暗な間は
ぼくには澄んだ光に満ちて見える
明るく見とおしの良い今は
ぼくにはまるで暗闇のようだ

太陽は昇りたくないのか
眠たそうに見える
一日中願っているのだろう
再び夜が来るようにと

愛は空をゆき
遥か離れたあの人に届く;
山と谷を越えて遠くまで!
そしていつかあの人はぼくのものに!


 アイヒェンドルフの最初の長編小説『予感と現在』(1815)の挿入詩。小説は若き詩人フリードリヒの人間的成長を描くいわゆる教養小説ですが、この詩はアイヒェンドルフの学生時代の恋人ケートヒェン(カタリーナ・バルバラ・フェルスター)と関連する一連の詩のひとつとされています。詩集でのタイトルは”Steckbrief”となっていますが、手持ちの辞書では『指名手配書』とされていています。「恋の指名手配書」でしょうか?? ” Erwartung”という題名をヴォルフがつけたのかどうか確認できませんでした。なおアイヒェンドルフの詩集には同じ” Erwartung”というタイトルでの全く別の詩もあります。
 歌曲は1880年、ヴォルフ20歳の作で、彼のアイヒェンドルフ歌曲集の中でも最も初期の作品です。そのためもあってか1897年の改訂出版時にヴォルフ自身の手で省かれてしまいましたが、その没後の出版時には付録として再度加えられました。なるほど捨てるには惜しい魅力的な歌曲です。
プライやスコウフスはこの曲をそれぞれの録音で第一曲に置いています。そのプライの全盛期の録音(エンジェル)は、ロマンティックで男の色気があり、青臭く素朴な歌詞に大きな説得力を与えているように思いました。

( 2005.11.04 甲斐貴也 )


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