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The fountain mingles with the river   CG. 449  
 
泉は川と交じり合い  
    

詩: シェリー (Percy Bysshe Shelley,1792-1822) イギリス
      Love's Philosophy

曲: グノー (Charles Gounod,1818-1893) フランス   歌詞言語: 英語


The fountain mingle with the River
 And the Rivers with the Ocean,
The winds of Heaven mix for ever
 With a sweet emotion;
Nothing in the world is single;
 All things by a law divine
In one another's being mingle.
 Why not I with thine? -

See the mountains kiss high Heaven
 And the waves clasp one another;
No sister-flower would be forgiven
 If it disdained its brother;
And the sunbeams clasp the earth
 And the moonbeams kiss the sea:
What are all these kisses worth
 If thou kiss not me?

泉は川と交じり合い
 川は海と交わっている
天の風は永遠に混ざり合う
 ひとつの優しい心と
この世にはいない 誰も独り者は
 すべてが皆 神の思し召しで
他の誰かと触れ合ってるのに
 なぜぼくはあなたと一緒になれないの?

ご覧よ、山々はそびえ立つ天にくちづけし
 波は互いに抱き締め合う
どんな雌花にも許されない
 雄花を軽蔑することは
そして日の光は大地と抱擁し
 月の光は海にキスをする
そんなすべてのキスに何の価値がある
 あなたがぼくにキスをしてくれないのなら?


有名なシェリーの詩で、イギリスの作曲家は多くメロディをつけています。中で一番良く歌われるのはクィルターの曲でしょうか。あちらの弾けるような爽やかさに比べると、このグノーの曲はしっとりとした情感に味わいがあります。フランス語の詞でも歌えるようにしているためか言葉の扱いも流麗な感じ。イギリスの歌手であるフェリシティ・ロットが歌っている録音がありますが、ちょっと英語の響きが不思議な感じ。そのあたりがネイティブでない作曲家の限界なのかそれとも別の何かがあるのか興味深いところです。のちにバルビエによって訳されたフランス語の歌詞がつけられて、Aimons-nous!というタイトルの歌になっていますが、こちらの方がずっと自然に響きます。

( 2018.02.25 藤井宏行 )


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