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Suleika    
 
ズライカ  
    

詩: ヴィレマー (Marianne von Willemer,1784-1860) ドイツ
    West-östlicher Diwan - 8. Buch Suleika -- Suleika Nameh  Suleikas Gesang an den Westwind

曲: ヘンゼル=メンデルスゾーン (Fanny Hensel-Mendelssohn,1805-1847) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Ach,um deine feuchten Schwingen,
West,wie sehr ich dich beneide:
Denn du kannst ihm Kunde bringen
Was ich in der Trennung leide!

Die Bewegung deiner Flügel
Weckt im Busen stilles Sehnen;
Blumen,Auen,Wald und Hügel
Stehn bei deinem Hauch in Tränen.

Doch dein mildes sanftes Wehen
Kühlt die wunden Augenlider;
Ach,für Leid müßt' ich vergehen,
Hofft' ich nicht zu sehn ihn wieder.

Eile denn zu meinem Lieben,
Spreche sanft zu seinem Herzen;
Doch vermeid' ihn zu betrüben
Und verbirg ihm meine Schmerzen.

Sag ihm,aber sag's bescheiden:
Seine Liebe sei mein Leben,
Freudiges Gefühl von beiden
Wird mir seine Nähe geben.

ああ、お前の湿りを帯びた翼
西風よ、私はお前がどんなにうらやましいことか
なぜってお前はあの人に知らせを運ぶことが出来るのだから
遠く離れて私がどんなに苦しんでいるかと!

お前の翼の羽ばたきは
胸の中に静かな憧れを呼び覚ます
花も、野原も、森も、丘も
お前の吐息で涙をためて立ちつくす

そしてお前の穏やかなやさしいそよぎは
私の痛むまぶたを冷やしてくれる
ああ、悲しみのあまり私は死んでしまうの
あの人に再び会うことが望めないのなら!

それなら私の愛する人のところへ急いで
彼の心にそっと語りかけて
でもあの人を悲しませないように
私の苦しみは隠しておいてね

あの人に伝えて、でも控えめに伝えてね
あの人の愛こそ私の人生なのですと
そしてそのふたつの喜ばしい気持ちが
私にはあの人のそばでこそ与えられるのですと


弟フェリックスもこの詩による歌曲をほぼ同時期に書いていて聴き比べができます。どちらも繊細で美しい曲ですが、やはり女性としての共感にあふれた彼女の曲の方が素敵でしょうか。もっとも事情は複雑で、作曲された当時はこの詩、ゲーテの作だと信じられていたので、男目線描いてもでも決して不思議ではないのですね。のちに晩年のゲーテと交流のあったマリアンネの作だと判明しますが...

( 2018.02.18 藤井宏行 )


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