Batto,qui pianse Ergasto Madrigali,libro sei |
打ちのめされた とエルガストは泣きながら マドリガーレ集第6巻 |
»Batto«,qui pianse Ergasto,»ecco la riva ove,mentre seguia cerva fugace, fuggendo Clori il suo pastor seguace, non so se più seguiva o se fuggiva«. »Deh,mira!« -- egli dicea -- »se fuggitiva fera pur saettar tanto ti piace, saetta questo cor che soffre in pace le piaghe,anzi ti segue e non le schiva. Lasso,non m'odi?«. E qui tremante e fioco e tacque e giacque. A questi ultimi accenti l'empia si volse e rimirollo un poco. Allor di nove Amor fiamme cocenti l'accese. Or chi dirà che non sia foco l'umor che cade da duo lumi ardenti? |
「打ちのめされた」とエルガストは泣きながら「ここの岸辺で 一頭の牝鹿を追いかけながら クローリは逃げだのだ 彼女を追う羊飼いから もう何だか分からない 彼女は追いかけたのか 逃げたのか」 「頼む 見てくれ!」 - 彼は言った - 「もし逃げる獲物に 矢を射るのがそんなに好きなら 射てくれ この心に 安らかに苦しもう その傷口に そればかりでなくお前のあとをためらわず追おう どうか 聞いてはくれないのか?」 そして震えながら弱って行き 彼は沈黙してその身を横たえた その最後の言葉に つれない娘は振り向き 彼をちらっと見た このとき 新しいアモールの炎が 彼女に燃え上がった だが誰が言えるのだろう この炎は 二つの熱い瞳からこぼれているのではないと? |
( 2018.01.31 藤井宏行 )