TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Zu einer Konfirmation   Op.62-36  
  Das Holdes Bescheiden
ある堅信礼で  
     歌曲集「善き慎み」

詩: メーリケ (Eduard Friedrich Mörike,1804-1875) ドイツ
    Gedichte: Nachlese III  Rückblick (Zu einer Konfirmation)

曲: シェック (Othmar Schoeck,1886-1957) スイス   歌詞言語: ドイツ語


Bei jeder Wendung deiner Lebensbahn,
Auch wenn sie glückverheißend sich erweitert
Und du verliest,um Größeres zu gewinnen:
- Betroffen stehsts du plötzlich still,den Blick
Gedankenvoll auf das Vergangne heftend;
Die Wehmut lehnt an deine Schulter sich
Und wiederholt in deine Seele dir,
Wie lieblich alles war,und daß es nun
Damit vorbei auf immer sei,auf immer!

Ja,liebes Kind,und dir sei unverhohlen:
Was vor dir liegt von künft'gem Jugendglück,
Die Spanne misst es einer Mädchenhand.
Doch also ward des Lebens Ordnung uns
Gesetzt von Gott;den schreckt sie nimmermehr,
Der einmal recht in seinem Geist gefaßt,
Was unser Dasein soll. Du freue dich
Gehabter Freude;andre Freuden folgen,
Den Ernst begleitend;dieser aber sei
Der Kern und sei die Mitte deines Glücks!
Den also ward des Lebens Ordnung uns
Gesetzt von Gott,von Gott.

人は人生の転機に際して
それが幸運の開けてゆく時であろうと
何かを得るためにより大きな何かを失います
その時人はうろたえ、突然に言葉を失って立ち尽くし
過ぎ去ったものしか見られずに思い詰めます
悲しみがその両肩にのしかかり
心の中でこう繰り返されます
全てが何と素晴らしかったことだろう、だが今は
永久に過ぎ去ってしまったのだ、永久に!

そうです、愛しい子よ、あなたには明らかになります:
あなたの前に広がる青春の喜びは
女の子の手のひらほどの長さし続かないのです
そして人の生は神により秩序正しく定められています
そこで起きる出来事が神を驚かすことは決してないのです
神はその御心により正しく
わたしたちの存在がどうあるべきかお決めになりました
かつての幸せを喜びとしなさい;また次の幸せが訪れます
現実の厳しさを伴いながら;これが人の幸福の
本質であり核心なのです!
そして人の生は神により秩序正しく定められています
神によって


 この詩はメーリケの刊行した「詩集」には含まれなかった遺作の一つです。インゼル社の全詩集での題名は「回想 Rückblick」で、「ある堅信礼で」はサブタイトルとなっています。シェックは「回想」という題名を歌曲集のテーマの一つに使っているので避けたのでしょうか。また最後の二行はメーリケの原詩には無く、シェックが同連四行目からとって加えたもののようです。
 堅信礼とはキリスト教の幼児洗礼を受けた信者が、物心ついてから改めて自分の意思で入信する儀式だそうです。職務に不熱心だったというメーリケも若い教徒にこのような説教をしたのでしょうか。しかし本来の題名「回想」から考えると、自分の堅信礼、あるいは人生の転換点を思い起こした詩なのかもしれません。
 森孝明氏の「詩集」全訳には収録されておらず、既存の訳がほとんどないこともあり訳は難しく、特に第二連後半の結論的部分は意味を取るのに苦労しました。ご意見など頂ければ幸いです。また同連三行目の”einer Mädchenhand”も考えてしまいましたが、その前の”Spanne”が親指と小指の間の長さを基準にした長さの単位ということなので、それにひっかけた「小さな手」の意ではないかと解釈しました。
 シェックの曲は詩の内容そのままに切々と諭しながら、最後の追加された「そして人の生は神により秩序正しく定められています」をマエストーソ〜ペザンテの指定で重々しい箴言として締めくくっています。この行へのシェックの思い入れを感じさせる処理です。
 演奏はクラーヴェス盤のフィッシャー=ディースカウが文句なしの歌唱。

( 2005.06.20 甲斐貴也 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ