Auf ein Kind (das mir eine ausgerissene Haarlocke vorwies) Op.62-35 Das Holdes Bescheiden |
子供に寄せて(わたしに引き抜かれた巻き毛を見せた) 歌曲集「善き慎み」 |
Mein Kind,in welchem Krieg hast du Die gelben Haare lassen müssen? Ein Rosenzweig hat sie im Sprunge dir entrissen! Du weißt es kaum und lachst dazu. Gott gebe,daß in künftger Zeit Nie kein Verlust,noch ander Leid Dich bitterer im jungen Herzen Als dieser leichte Raub mag schmerzen! |
かわいい子よ、いったいだれと喧嘩して その黄色の髪を取られたんだい? 飛び跳ねたはずみで薔薇の小枝に引っかけたのか! おまえは平気な顔をして笑っている 願わくばこれから どのような喪失も、心の痛みも この小さな略奪以上に おまえの幼い心を傷つけませんことを! |
長女ファニーへの親心の詩。同じ親としては痛いほど気持ちのわかるものの、これをちゃんと詩集に選んだところにメーリケがビーダーマイヤー(小市民的芸術様式)の詩人とも言われる所以があるのでしょうか。しかしシェックはこの曲を歌曲集中の「信仰」の部に入れているので、もっと深い読みがあったのかもしれません。シェックの作曲は軽やかで情感ある佳曲に仕上がってます。イエックリン盤ではソプラノのドウソンが歌っていますが、クラーヴェス盤のフィッシャー=ディースカウはさすがの名唱です。
( 2005.06.18 甲斐貴也 )