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Die verschwiegene Nachtigall   Op.48-4  
  6 Sanger
秘密を守るナイチンゲール  
     6つの歌曲

詩: フォーゲルヴァイデ (Walther von der Vogelweide,1170-1228) ドイツ
      Under der linden

曲: グリーグ (Edvard Grieg,1843-1907) ノルウェー   歌詞言語: ドイツ語


Unter den Linden,
an der Haide,
wo ich mit meinem Trauten saß,
da mögt ihr finden,
wie wir beide
die Blumen brachen und das Gras.
Vor dem Wald mit süßem Schall,
Tandaradei!
sang im Tal die Nachtigall.

Ich kam gegangen
zu der Aue,
mein Liebster kam vor mir dahin.
Ich ward empfangen
als hehre Fraue,
daß ich noch immer selig bin.
Ob er mir auch Küsse bot?
Tandaradei!
Seht,wie ist mein Mund so rot!

Wie ich da ruhte,
wüßt' es einer,
behüte Gott,ich schämte mich.
Wie mich der Gute
herzte,keiner
erfahre das als er und ich -
und ein kleines Vögelein,
Tandaradei!
das wird wohl verschwiegen sein.

菩提樹の下の
茂みのそばは
私があのひとと座っていたところ
そこに行けば見られるでしょう
私たち二人がどんなふうに
花や草を押し倒すのかを
森の中からは美しい音が聞こえる
タンダラダイ!
歌ってたわ 谷間でナイチンゲールが

私は歩いてきたの
この草地へと
私のいとしい人は私より先に来ていて
そして私は迎えられた
まるで高貴なレディのようにね
だから私はいつも最高にしあわせ
彼は私にキスしてくれたかって?
タンダラダイ!
ご覧なさい 私の口はこんなに赤いのよ

どうやって私がそこで横たわったのか
誰かがそれを知ったなら
おお神様 私は恥ずかしい
どんな風に私をあのひとが
抱いたかは 誰も
誰も知らない 彼と私のほかには
それを見ていた小鳥は
タンタラダイ!
しっかり秘密を守ってくれるでしょう


ノルウェーの作曲家、グリーグには数多くの素敵な歌曲がありますが、その中でも作品番号48の6曲は、ドイツの詩人のドイツ語の詩に付けた作品として異色の魅力を放っています(この他にもいくつかドイツ語歌曲はあるのですけれども、とりわけこれらは素敵)。
ハイネやガイベル、ゲーテといったドイツの有名な詩人の歌にノルウェーの素朴なメロディーが付けられているのは何とも言いがたい味わいですが、その中でもひときわ印象的なのは、13世紀の吟遊詩人、ヴァルター・フォン・フォーゲルヴァイデのお洒落な詩に付けたこの曲です。1000年近くも昔の人なのですが、この恋人たちの楽しい逢い引きの描写はどうでしょう! 「タンタラデイ」と、ナイチンゲールの鳴き声も絡めながら、乙女心の機微を見事に表現しています。

グリーグの付けた曲はあくまでも夜のデートということで静か。浮き立つような喜びは表には出ず、ナイチンゲールの鳴き声もピアノにこだまのように現れます。ひたすらロマンチックな音楽の描写は実に見事!

グリーグの歌曲集としては、DGにあるフォン・オッターのメゾソプラノによるものが極め付けでしょうか。このCD、このドイツ語に付けたOp.48を6曲全部収録しているのもうれしいです。

( 2005.05.12 藤井宏行 )


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