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Frühlingsstimmen    
 
春の声  
    

詩: ジュネ (Richard Genée,1823-1895) オーストリア
      

曲: シュトラウス2世,ヨハン (Johann Strauss (II),1825-1899) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Die Lerche in blaue Höh entschwebt,
der Tauwind weht so lau;
sein wonniger milder Hauch belebt
und küßt das Feld,die Au.
Der Frühling in holder Pracht erwacht,
Ah ah ah
Alle Pein zu End mag sein,
Alles Leid,entflohn ist es weit!

Schmerz wird milder,frohe Bilder,
Glaub an Glück kehrt zuruck;
Sonnenschein,ah dringt nun ein,
ah,alles lacht,ach,ach,erwacht!

Sonnenschein,ah dringt nun ein,
ah,alles lacht,ach,ach,erwacht!

Die Lerche in blaue Höh entschwebt,
der Tauwind weht so lau;
sein wonniger milder Hauch belebt
und küßt das Feld,die Au.
Der Frühling in holder Pracht erwacht,
Ah ah ah
Alle Pein zu End mag sein,
Alles Leid,entflohn ist es weit!


Da strömt auch der Liederquell,
der zu lang schon schien zu schweigen;
klingen hört dort wieder rein und hell
süße Stimmen aus den Zweigen!
Ah
Leis' läßt die Nachtigall
schon die ersten Töne horen,
um die Kön'gin nicht zu stören,
schweigt,ihr Sänger all!
Ah
Voller schon klingt bald ihr süßer Ton.
Ach ja bald,ah,ah ja bald!
Ah,ah,ah,ah!
O Sang der Nachtigall,holder Klang,ah ja!


Liebe durchglüht,ah,ah,ah,
tönet das Lied,ah und der Laut,
süß und traut,scheint auch Klagen zu tragen,
ah ah wiegt das Herz in süße Traumerein,
ah,ah,ah,ah,leise ein!

Sehnsucht und Lust
ah ah ah wohnt in der Brust,
ah,wenn ihr Sang lockt so bang,
funkelnd ferne wie Sterne,
ah ah zauberschimmernd wie des Mondes Strahl,
ah ah ah ah wallt durchs Tal!

Kaum will entschwinden die Nacht,
Lerchensang frisch erwacht,
ah,
Licht kommt sie kunden,
Schatten entschwinden!
ah!


Die Lerche in blaue Höh entschwebt,
der Tauwind weht so lau;
sein wonniger milder Hauch belebt
und küßt das Feld,die Au.
Der Frühling in holder Pracht erwacht,
Ah ah ah
Alle Pein zu End mag sein,
Alles Leid,entflohn ist es weit!

Ah des Frühlings Stimmen klingen traut,
Ah ja,ah ja ah o süßer Laut,
Ah ah ah ah ach ja!

ヒバリは青空高く舞い上がり、
凍てついていた風もこんなに暖かくなった。
その喜びあふれる優しい吐息は活気づいて
そしてくちづけるの 野に、牧場に。
春は 美しい装いで目覚め、
ああ、ああ、ああ
すべてつらいことは終わるでしょう、
あらゆる悩みも 遠くへ去ってゆくわ!

痛みはやわらいで、陽気な姿で、
幸せを信じる気持ちがかえってくる。
太陽の光が差し込んできて、
ああ、みんなほほえみ、ああ、目覚めるの!

太陽の光が差し込んできて、
ああ、みんなほほえみ、ああ、目覚めるの!

ヒバリは青空高く舞い上がり、
凍てついていた風もこんなに暖かくなった。
その喜びあふれる優しい吐息は活気づいて
そしてくちづけるの 野に、牧場に。
春は 美しい装いで目覚め、
ああ、ああ、ああ
すべてつらいことは終わるでしょう
あらゆる悩みも 遠くへ去ってゆくわ!


またあふれ出すの 歌の泉が、
今までずっと黙っていたのだけれど。
響きが聞こえてくる あそこからまた清らかで明るく
甘い声が枝の間から!
ああ 
ナイチンゲールがそっと
もう初めての歌を聴かせてくれるのね
この女王様をじゃましないように
黙っていてね 他の歌い手さんたちはみんな!
ああ
すぐに最高に響くでしょう 彼女の甘い歌は
ああ すぐに ああ すぐに!
ああ ああ ああ ああ!
おおナイチンゲールの歌 甘い調べ ああ そうよ!


愛に燃え立ち ああ ああ ああ
歌は鳴り響く ああ そしてその響きは
甘く心地よく でも悲しげにも聴こえる
ああ ああ 心を揺り動かすの 甘い夢の中で 
ああ ああ ああ ああ とても優しく!

あこがれと願いは
ああ ああ ああ この胸に抱かれて
ああ この歌がせつなく呼びかけるときには
星たちのように遠くから瞬きながら
ああ ああ 月の光のような魔法のきらめきで
ああ ああ ああ 谷間を渡っていく!

夜が消えるとすぐに、
ヒバリの歌声がさわやかに目覚める、
ああ 
光はヒバリに告げるの、
暗闇は消え去ると!
ああ!


ヒバリは青空高く舞い上がり、
凍てついていた風もこんなに暖かくなった。
その喜びあふれる優しい吐息は活気づいて
そしてくちづけるの 野に、牧場に。
春は 美しい装いで目覚め、
ああ、ああ、ああ
すべてつらいことは終わるでしょう
あらゆる悩みも 遠くへ去ってゆくわ!

ああ 春の声はなつかしく響く、
ああ そうよ ああ そうよ おお すてきな響き
ああ ああ ああ ああ ああ そうよ!


恒例のウィーンでのニューイヤーコンサートなどでもおなじみのヨハン・シュトラウス2世のワルツ「春の声」。初演はオペラの幕間にソプラノ歌手によって歌われたとあり、今でもしばしばコロラトゥーラ・ソプラノの歌声と共にコンサートに乗ります。詩はじっくりと見たことが今まではなかったのですが、昼間のヒバリと夜のナイチンゲールの歌声を模しながら華やかな情景が歌われます。「ああ」が多いのはちょっと妙なところもありますけれども、技巧を示すために挿入された装飾句とばかり思ったら、原詩にもしっかりと書かれていました。作詞のジュネーはオペレッタ「こうもり」の台本作者でしょうか。あまり内容的にはよくできた詩ではないようにも思えるのですが、歌になるとなかなか映えるのはまさに「文学詩」と「歌詞」の違いとも言えるでしょう。
ニューイヤーコンサートでは1987年のH.V.カラヤンが指揮した時に登場したソプラノのキャスリーン・バトルの歌ったものが有名でしょうか。しっとりとした美しい声はコロラトゥーラにはない味わいで結構素敵でした。コロラトゥーラの歌声ではエレナ・ザックから始まってリタ・シュトライヒ、エディタ・グルヴェローバ、エヴァ・リンド、スミ・ジョーetc.と昔からたくさんの録音がありますが、今まで聴いた中ではフランスのナタリー・デッセーのものがやはりしとやかな感じで素敵でした。曲のイメージはニューイヤーコンサートに引きずられてかもっと早春の情景なのですが、詩はもっと暖かい4月半ばから今の時期くらいのことを歌っているでしょうか。そんなつもりで眺めてみて頂ければ幸いです。
(2005.05.03)

コンサートのプログラムにお使い頂けるというお話を頂きましたので、耳で追えるように繰り返しをちゃんと反映させ、あわせて語訳を分かる範囲で直しました。エレナ・ベルガーとか往年の大歌手の歌を聴きながら歌詞を目で追っていくとなかなかゾクゾクします。
1か所だけ、最後の主旋律の繰り返しからコーダに至るつなぎの部分、歌詞がうまく聴き取れませんでしたので1行空白にしております。分かった時点でここは埋めたいと思いますのでご諒解ください。

( 2011.10.24 藤井宏行 )


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