笛 萩原朔太郎に依る四つの詩 |
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あふげば高き松が枝に琴かけ鳴らす、 をゆびに紅をさしぐみて、 ふくめる琴をかきならす、 ああ かき鳴らすひとづま琴の音にもつれぶき、 いみじき笛は天にあり。 けふの霜夜の空に冴え冴え、 松の梢を光らして、 かなしむものの一念に、 懺悔の姿をあらはしぬ。 いみじき笛は天にあり。 |
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( 2017.10.01 藤井宏行 )