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Nachts am Schreibepult   Op.62-16  
  Das Holdes Bescheiden
夜、書き物机で  
     歌曲集「善き慎み」

詩: メーリケ (Eduard Friedrich Mörike,1804-1875) ドイツ
    Gedichte  Nachts am Schreibepult

曲: シェック (Othmar Schoeck,1886-1957) スイス   歌詞言語: ドイツ語


Primel und Stern und Syringe,von einsamer Kerze beleuchtet,
  Hier im Glase,wie fremd blickt ihr,wie feenhaft,her!
Sonne schien,als die Liebste euch trug,da wart ihr so freudig:
  Mitternacht summt nun um euch,ach! und kein Liebchen ist hier.

プリムラとアスターとライラックが 寂しい蝋燭の灯に照らされ
 ガラスの花瓶の中から まるで妖精のように よそよそしく見つめている!
太陽の輝きの下 あのひとが持って来てくれた時は 喜びに溢れていたのに:
 真夜中が花の周りで幽かに唱う今 ああ! あのひとはここにいない


 過剰な情熱を夜の間に落ち着けようという「愛し過ぎて」の後に置かれていますが、どうもなかなか落ち着けそうにはないようですね。プリムラは我が国のサクラソウの亜種。アスターはゲーテの『ファウスト』でグレートヒェンが花びらをむしった花。ライラックはリラとも呼ばれます。
 シェックの作曲は情熱的な「愛し過ぎて」と対照的に静謐なもの。演奏はフィッシャー=ディースカウ(クラーヴェス)とボストリッジ(イェックリン)。

( 2005.02.15 甲斐貴也 )


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