Dolcissimo uscignolo SV161 Madrigali,libro ottavo |
心優しい小夜鳴鳥よ マドリガーレ集第8巻 |
Dolcissimo uscignolo, Tu chiami la tua cara compagnia, Cantando vieni animo mia. A me canto non vale; E non ho come tu da volar ale. O felice augelletto: Come nel tuo diletto. Tri ricompenso ben l’alma natura; Se ti nego saper ti die ventura |
心優しい小夜鳴鳥よ お前は愛しい相方を呼んでいるのか おいで、私の想い人、と歌いながら。 私に歌は役に立たない; 空を飛ぶ翼もありはしない。 おお、幸せな小鳥よ! 母なる自然は幸をもたらすお前に 何と豊かな恵みで報いたことか; 理性ではなく喜びを与えたのだから |
モンテヴェルディの生前に出版された最後のマドリガーレ集である第8巻に含まれる、フェラーラの宮廷詩人グヮリーニGiambattista Guarini(1538-1612)の詩による作品。小夜鳴鳥の鳴き声の模倣は控え目な、短いながら美しい佳曲です。
ギリシャ神話由来の嘆きの歌とは無縁の、愛を歌う小夜鳴鳥に寄せて控え目に孤独を嘆くのは、なかなか趣味の良い詩と思いました。この詩人は当時人気が高かったようで、「わが心の人よ,ああ,思い悩まないでほしい」という詩に作曲された、カッチーニやA.スカルラッティなど21人もの作曲家の作品を収めたCDも出ています。
楽譜には「全声部で歌うためのフランス風五声曲」と書かれているそうですが、コンソート・オヴ・ミュージックのCDでは、ソプラノ独唱とヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、キタローネ、ハープ、オルガンのアンサンブルで演奏されています。カークビーの透明な歌声をしみじみと楽しむことが出来ます。
( 2005.02.21 甲斐貴也 )