TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Dolcissimo uscignolo   SV161  
  Madrigali,libro ottavo
心優しい小夜鳴鳥よ  
     マドリガーレ集第8巻

詩: グァリーニ (Giovanni Battista Guarini,1538-1612) イタリア
      

曲: モンテヴェルディ (Claudio Monteverdi,1567-1643) イタリア   歌詞言語: イタリア語


Dolcissimo uscignolo,
Tu chiami la tua cara compagnia,
Cantando vieni animo mia.
A me canto non vale;
E non ho come tu da volar ale.
O felice augelletto:
Come nel tuo diletto.
Tri ricompenso ben l’alma natura;
Se ti nego saper ti die ventura

心優しい小夜鳴鳥よ
お前は愛しい相方を呼んでいるのか
おいで、私の想い人、と歌いながら。
私に歌は役に立たない;
空を飛ぶ翼もありはしない。
おお、幸せな小鳥よ!
母なる自然は幸をもたらすお前に
何と豊かな恵みで報いたことか;
理性ではなく喜びを与えたのだから


モンテヴェルディの生前に出版された最後のマドリガーレ集である第8巻に含まれる、フェラーラの宮廷詩人グヮリーニGiambattista Guarini(1538-1612)の詩による作品。小夜鳴鳥の鳴き声の模倣は控え目な、短いながら美しい佳曲です。
ギリシャ神話由来の嘆きの歌とは無縁の、愛を歌う小夜鳴鳥に寄せて控え目に孤独を嘆くのは、なかなか趣味の良い詩と思いました。この詩人は当時人気が高かったようで、「わが心の人よ,ああ,思い悩まないでほしい」という詩に作曲された、カッチーニやA.スカルラッティなど21人もの作曲家の作品を収めたCDも出ています。
 楽譜には「全声部で歌うためのフランス風五声曲」と書かれているそうですが、コンソート・オヴ・ミュージックのCDでは、ソプラノ独唱とヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、キタローネ、ハープ、オルガンのアンサンブルで演奏されています。カークビーの透明な歌声をしみじみと楽しむことが出来ます。

( 2005.02.21 甲斐貴也 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ