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千曲川旅情の歌 1    
 
 
    

詩: 島崎藤村 (Shimazaki Touson,1872-1943) 日本
      

曲: 小山清茂 (Koyama Kiyoshige,1914-2009) 日本   歌詞言語: 日本語


小諸なる古城のほとり
雲白く遊子(ゆうし)悲しむ
緑なす繁縷(はこべ)は萌えず
若草も籍(し)くによしなし
しろがねの衾(ふすま)の岡辺
日に溶けて淡雪流る

あたゝかき光はあれど
野に満つる香も知らず
浅くのみ春は霞みて
麦の色わずかに青し
旅人の群はいくつか
畠中の道を急ぎぬ

暮行けば浅間も見えず
歌哀し佐久の草笛(歌哀し)
千曲川いざよう波の
岸近き宿にのぼりつ
濁り酒濁れる飲みて
草枕しばし慰む



( 2017.07.22 藤井宏行 )


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