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うたうだけ    
 
 
    

詩: 谷川俊太郎 (Tanikawa Shuntarou,1931-) 日本
      

曲: 武満徹 (Takemitsu Touru,1930-1996) 日本   歌詞言語: 日本語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください


武満徹の作った歌の中でも、ひときわそのジャズっぽいスタイルが印象的な初期の作品「うたうだけ」。1958年の作ですからもう50年近く昔。
ところがこの曲をカウンター・テナーのドミニク・ヴィスが歌った英語版(KING)で聴くと、その本格的な味に痺れます。こんな風に英語で歌うことで本場モノのスタンダードと名乗っても通用するのじゃないでしょうか。「かなしいときには うたうだけ」と、谷川俊太郎の書いたすべてひらがなのシンプルな詩にも印象的なものがあります。

フォークシンガーの小室等が歌った武満ソング集(フォーライフ)にも入っていて、その見事なブルーノートのスタイルでの演奏がとても素敵です。これが作曲者のコード進行にかなり忠実な編曲なのだとか。日本のジャズシンガーの人たちも洋モノのカヴァーばかりでなく、日本にもこんな素晴らしいジャズ・スタンダードの名曲があることをもっともっと紹介してくれれば良いのにと思ってしまうのですが(されている方がいたらごめんなさい。シャンソンでは瀬間千恵さんが武満作品をよく取り上げているのは存じているのですが...)、まだまだ武満のこんな作品も一部の音楽オタク・合唱オタクの間にしか知られていないようなのは勿体無い限りです。
この曲だけでなく「小さな部屋で」や「見えない子供」、あるいは武満さんの最晩年の傑作「昨日のしみ」など、それっぽくアレンジするととても映えると思います。
同じCDで小室等さんの歌う「昨日のしみ」なんか最高のノリ。やはりこの曲を献呈された初演者ならではのことはあるでしょうか。

ちょっと舌足らずの感じでお茶目に歌う石川セリさんのアルバム(コロムビア)の中の「うたうだけ」もなかなか素敵です。この盤ではこの曲の編曲&ピアノ伴奏を羽田健太郎氏がやっていることも注目でしょうか。

( 2005.02.05 藤井宏行 )


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