Du milchjunger Knabe Alte Weisen. Sechs Gedichte von Gottfried Keller |
ねえ、青っぽい坊や 古き調べ:ゴットフリート・ケラーの6つの詩 |
Du milchjunger Knabe, Wie siehst du mich an? Was haben deine Augen Für eine Frage getan! Alle Ratsherrn in der Stadt Und alle Weisen der Welt Bleiben stumm auf die Frage, Die deine Augen gestellt! Ein leeres Schneckhäusel, Schau,liegt dort im Gras; Da halte dein Ohr dran, Drin brümmelt dir was! |
ねえ、青っぽい坊や、 なんであたしのこと、そんなに見つめるの? あなたの目は どんなに問いかけてくることかしら! 町の参事会員や 世の賢人と呼ばれるお歴々でも、 黙りこんでしまうわね、 あなたの目がうったえてくる問いには。 からっぽのカタツムリの殻が、 ほら、あの草むらにあるでしょ。 耳に当ててごらんなさいよ、 あなたに何かつぶやくでしょうから。 |
この詩はケラーの<古き調べ>では3番目に置かれている(<女性について>では「テレーゼ」(Therese)という女性名が付けられており、やはり3番目に置かれている)。この詩は<古き調べ>と<女性について>では第3節にかなりの相違がある。「テレーゼ」にはブラームスの付曲がある(Op. 86-1)。
年上の女性を前にしたうぶな若者の問い掛けるような眼差しに、ちょっとからかうような返答でお茶を濁す。
恋愛の対象ではないということを冒頭の「Knabe」という単語があらわしているように思われる。
ブラームスの曲が母性を持った女性が優しく見守るような雰囲気であるのに対して、ヴォルフは特に第3節に変化を付けて、あんたなんか私の眼中に無いのよとでも言わんばかりの醒めた視点が感じられる。「brümmelt」で声を震わせ、最後の「was」の下行した言い切りで若者の期待を撥ねつけるかのようだ。
シュヴァルツコプフ(S)ムーア(P):1961年1月:かなり相手の男性と年の離れた女性という雰囲気だが、言葉の一言一言にこめられた気持ちの深さはただ素晴らしいの一言。
アーメリング(S)、ヤンセン(P):1981年6&8月:最終節のユーモラスな味わいはさすがだ。
ヴァレンテ(s)レイム(P) :1985年7月:控えめながら優しい雰囲気がある。レイムは繊細な表現でいい。
( 2005.01.22 フランツ・ペーター )