Singt mein Schatz wie ein Fink Alte Weisen. Sechs Gedichte von Gottfried Keller |
愛する人がアトリのように歌うというのなら 古き調べ:ゴットフリート・ケラーの6つの詩 |
Singt mein Schatz wie ein Fink, Sing' ich Nachtigallensang; Ist mein Liebster ein Luchs, O so bin ich eine Schlang'! O ihr Jungfrau'n im Land, Vom Gebirg und über See, Überlaßt mir den Schönsten, Sonst tut ihr mir weh! Er soll sich unterwerfen Zum Ruhm uns und Preis! Und er soll sich nicht rühren, Nicht laut und nicht leis! O ihr teuern Gespielen, Überlaßt mir den stolzen Mann, Er soll seh'n,wie die Liebe Ein feurig Schwert werden kann! |
愛する人がアトリのように歌うというのなら、 私はナイチンゲールの歌を歌ってみせるわ。 恋人が大山猫だとしたら、 ああ、それなら私は蛇ってところね。 ああ、あなた方、陸や 山や海のお嬢さんたち、 あの素敵な方を私に下さらない、 でなきゃ、心が痛んで仕方ないの。 あの人を降参させてみせるわ、 栄誉と賛美にかけて。 そうしたらあの人には有無を言わせないの、 大声だろうと、小声だろうと! ああ、親愛なる遊び友達たち、 私にあの誇り高い男性を渡しなさい! あの人に見せてやるわよ、いかに愛というものが 燃え盛る剣となりうるかをね! |
この詩はケラーの<古き調べ>では5番目に置かれている(<女性について>では「ザーロメ」(Salome)という女性名が付けられており、7番目に置かれている)。「ザーロメ」にはブラームスの付曲がある(Op. 69-8)。
第1曲に続いて、ここでも鼻っ柱の強い女性の負けず嫌いな側面が強調された詩の内容である。
相手の男性よりも常に上に立ち、屈服させてやるという気概がたくましい。
ヴォルフの曲は、鳥の鳴き声を模したピアノに乗ってコミカルな雰囲気を醸し出したかと思うと、得意の半音階進行を下行させて甘えてみたり、跳躍進行で上行させて気位の高さを印象づけてみたりする。ころころ変わる表情は最終節でクライマックスを形成し、愛が燃え盛る剣となりうる事を見せてやるという箇所では歌声は上昇して堂々たるアピールを聴かせ、その流れでピアノ後奏は急速なテンポで盛り上げて締める。
シュヴァルツコプフ(S)ムーア(P):1961年1月:最後の2行の強気で熱烈な愛の賛歌がこの演奏の軸になっている。ややヒステリックだが全身全霊をかけた演奏。
ヴァレンテ(S)レイム(P) :1985年7月:ヴァレンテは細かい表情がよく伝わってくる。レイムは技術、構成力ともに見事。
アーメリング(S)、ヤンセン(P):1981年6&8月:やや高音が苦しいところもあるが、表情が敏感に変化して言葉が生きている。ヤンセンは高度な技術を駆使して雄弁な演奏。
( 2005.01.22 フランツ・ペーター )