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Geburtsangrüß an Cosima    
 
コジマへの誕生祝い  
    

詩: ヴァーグナー (Richard Wagner,1813-1883) ドイツ
      

曲: ヴァーグナー (Richard Wagner,1813-1883) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Sagt mir,kinder,
was blüht am Maitag?
Die Rose,die Rose
die Ros' im Mai.

Kinder wißt ihr auch
was blüht im Weinacht?
Die Kose,die Kose
Die kosende Mama
die Cosima.
Vervelkt es auch die Maitagsrose
neu erblüht sie
in der Weinacht Schoße

Ros' im Mai,
Co-si-ma,
Allerliebste,allerschönste
Cosima

言ってご覧 子供たち
何が花開くのかを 五月の日に?
バラだ バラだ
五月のバラだ

子供たち これも知ってるね
何が花開くのかを クリスマスの夜に?
やさしい やさしい
やさしいママだ
それはコジマ
それはもちろん 五月の日のバラだ
新しくそれが咲いたのだ
クリスマスの夜のふところに

五月のバラ
コ−ジ−マ
とってもやさしい とってもうつくしい
コジマよ


ワーグナーの2度目の妻コジマは1837年の12月25日生まれ。ここで言うクリスマスの夜というのはまさにどんぴしゃりの彼女の誕生日でもあるのですね。まだ彼女が最初の夫ハンス・フォン・ビューローと離婚できておらず、ワーグナーと同棲状態であった1868年の作とされているこの歌、コジマ31歳のお誕生日の歌ということになりますね。既に二人の間には長女(1865生)と次女(1867生)がおりましたのでここで呼びかけているKinderというのは彼女たちのことになりますね。「五月のバラ(ローズ イン マイ)」と「コジマ」をかけたお茶目な歌詞といい、穏やかで優しい曲想といい、ワーグナーの思いがけない一面が見られる不思議な曲です。この翌年生まれた長男ジークフリートのための「ジークフリート牧歌」(これも1870年のコジマの誕生日のサプライズプレゼントだったのだそうです)と並んで、家族に愛情を注ぐパパの一面を見せてくれる興味深い曲と言えましょう。

( 2017.05.13 藤井宏行 )


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