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煙草のめのめ    
  劇「カルメン」
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
      

曲: 中山晋平 (Nakayama Shinpei,1887-1952) 日本   歌詞言語: 日本語


煙草のめのめ、空まで煙(けぶ)せ
どうせこの世は癪のたね
煙よ 煙よ ただ煙
一切合切みな煙

煙草のめのめ 照る日も曇れ
どうせ一度は涙雨
煙よ 煙よ ただ煙
一切合切みな煙

煙草のめのめ 忘れて暮らせ
どうせ昔はかへりやせぬ
煙よ 煙よ ただ煙
一切合切みな煙

煙草のめのめ あの世も煙れ
どうせ亡くなりや野の煙
煙よ 煙よ ただ煙
一切合切みな煙

煙草よくよく 横目で見たら
好きなお方もまた煙草
煙よ 煙よ ただ煙
一切合切みな煙

煙草付けよか、紅つけませうか、
紅ぢやあるまい脂(やに)であろ
煙よ 煙よ ただ煙
一切合切みな煙

煙草ぶかぶかキッスしてゐたら、
鼻のパイプに、火をつけた
煙よ 煙よ ただ煙
一切合切みな煙



これも白秋−晋平の「カルメン」より。カルメンは女工として煙草工場で働いておりましたのでビゼーのオペラの方にも煙草工場の女工たちのコーラスがありましたが、こちらはコーラスでも純和風のテイストがなかなか強烈です。「一切合切みな煙」のフレーズは耳に残って離れません。

( 2017.05.06 藤井宏行 )


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