L'albatros Sn10 |
アホウドリ |
Souvent,pour s'amuser,les hommes d'équipage Prennent des albatros,vastes oiseaux des mers, Qui suivent,indolents compagnons de voyage, Le navire glissant sur les gouffres amers. A peine les ont-ils déposés sur les planches, Que ces rois de l'azur,maladroits et honteux, Laissent piteusement leurs grandes ailes blanches Comme des avirons traîner à côté d'eux. Ce voyageur ailé,comme il est gauche et veule! Lui,naguère si beau,qu'il est comique et laid! L'un agace son bec avec un brûle-gueule, L'autre mime,en boitant,l'infirme qui volait! Le Poëte est semblable au prince des nuées Qui hante la tempête et se rit de l'archer; Exilé sur le sol au milieu des huées, Ses ailes de géant l'empêchent de marcher. |
しばしば 慰みものとして 船乗りの男たちは 捕まえることがある アホウドリ 巨大なあの海鳥を そいつはついて来るのだ 無気力な同伴者として 旅の 船が滑って行く 塩辛い深みの上を すぐさま 彼らがその鳥を放つと 甲板の上に この大空の王者は ぶざまにぎこちなく 引きずる 哀れにもその大きな白い翼を まるでオールを両脇にぶら下げているように この翼を持つ旅行者の なんと惨めで情けないことか! 今まであんなに美しかったのに なんと滑稽で醜いことか! ある者はくちばしを突いている 短いキセルで 別の者は真似している びっこを引くよたよた歩きを かつては飛翔していたのに! 詩人も似たようなものだ この雲のプリンスに 嵐の中を行き来し 嗤っていたのに 射手を 追いやられると 地上の罵声の只中に その巨大な翼で 歩くこともままならないのだ |
ショーソンの作品番号のつかない初期の作品ですが、彼の歌曲の中でも比較的取り上げられるものです。ボードレールの詩集「悪の華」の中でも有名な詩、広い世界を俯瞰し、視野を広げてくれるのだけれども世俗の成功には役に立たない能力を巨大な翼に譬え、自嘲気味に詩人の世渡りのまずさを捕らえられたアホウドリに映し出しています。
ショーソンの歌曲では第3節が省略されていますが、ボードレールのこの詩の初稿ではこの第3節はなかったということですので、ショーソンはこれを見て曲をつけたのでしょう。一応ボードレールの最終稿である4節全部とりあげて訳詞をつけました。
( 2017.04.22 藤井宏行 )