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O wuesstest du,wie viel ich deinetwegen    
  Italienisches Liederbuch
おお、お前は分かっているのだろうか、どれほど俺がお前を思って  
     イタリア歌曲集

詩: ハイゼ (Paul Heyse,1830-1914) ドイツ
    Italienisches Liederbuch-Velote 38 O wuesstest du,wie viel ich deinetwegen 原詩:イタリア詞

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


O wüßtest du,wieviel ich deinetwegen,
Du falsche Renegatin,litt zur Nacht,
Indes du im verschloßnen Haus gelegen
Und ich die Zeit im Freien zugebracht.
Als Rosenwasser diente mir der Regen,
Der Blitz hat Liebesbotschaft mir gebracht;
Ich habe Würfel mit dem Sturm gespielt,
Als unter deinem Dach ich Wache hielt.
 Mein Bett war unter deinem Dach bereitet,
Der Himmel lag als Decke drauf gebreitet,
 Die Schwelle deiner Tür,das war mein Kissen -
Ich Ärmster,ach,was hab' ich ausstehn müssen!

おお、お前は分かっているのだろうか、どれほど俺がお前を思って、
不実な移り気女よ、夜に悶々と悩んでいたのか。
お前が戸締りした家の中でお休みだったころ、
俺は外で時間を持て余していた。
雨は俺にとっては薔薇の香水で、
稲妻なんか俺に愛の使者を送ってくれたようなもんさ。
嵐とはさいころ転がして遊んだりしたんだぜ、
屋根の下でお前の見張りをしていた時にな。
 俺のベッドはお前の家の屋根の下にしつらえたんだ、
広がる大空を掛け布団にしてな。
 戸の敷居が俺の枕さ。
俺って哀れな奴、ああ、どれだけ耐え忍べばいいんだよ!

セレナードを歌っても見向きもされない男が彼女の家の前で一晩あかした時のみじめな状況をうらみがましく訴える。
相手への怒りより自己嫌悪に陥っているようだ。
ヴォルフの音楽は、上下にくりかえす歌声部の動きが、稲妻や嵐の情景を想起させると同時に、我慢を重ねた男の不安定な心理状態も写し出している。

F=ディースカウ&デームス:不満を並べ立てる語り口のうまさ!
プライ&ヴァイセンボルン:かなりゆっくりめのテンポ設定で噛みしめるように歌い印象的。
クラウセ&ゲイジ:「哀れな奴」とクラウセの声が一体となっている。
ベーア&ドイチュ、ブロホヴィッツ&ヤンセンも良い。

( 2004.11.27 フランツ・ペーター )


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