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Nicht laenger kann ich singen,denn der Wind    
  Italienisches Liederbuch
ぼくはもう歌えないよ、だって風が  
     イタリア歌曲集

詩: ハイゼ (Paul Heyse,1830-1914) ドイツ
    Italienisches Liederbuch-Rispetti 79 Nicht laenger kann ich singen,denn der Wind 原詩:イタリア詞

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Nicht länger kann ich singen,denn der Wind
Weht stark und macht dem Atem was zu schaffen.
Auch fürcht' ich,daß die Zeit umsonst verrinnt.
Ja wär' ich sicher,ging' ich jetzt nicht schlafen.
Ja wüßt' ich was,würd' ich nicht heimspazieren
Und einsam diese schöne Zeit verlieren.

ぼくはもう歌えないよ、だって風が
強く吹きつけて、呼吸が苦しくなるからね。
それに時間の浪費じゃないかと不安になってきたんだ。
ぼくだって自信があったら、今から帰ってふて寝したりしないよ。
手管さえ分かっていたら、ぶらぶら家に戻ったりしないし、
こんなすばらしい時を一人さびしく潰したりはしないさ。

セレナードを歌っていても全く手ごたえのない男の言い訳が歌われる。
この曲は次の「ちょっと黙ってよ、そこの不愉快なおしゃべり男」とセットになっている。
つまり、ピアノ声部に同じ素材を使い、こちらは音価を伸ばしてゆっくりと、次の曲では急速なテンポで分かりやすいセレナードとなって登場する。
従って、この2曲は続けて演奏されることが多いし、それがヴォルフの意図に適うことになるのだろう。
フィッシャー=ディースカウがアンコールの最後に歌い、場内の笑いを誘うことで有名な曲である。

ベーア&ドイチュ:このコミカルな語りのうまさはダントツ。
F=ディースカウ&ムーア:巧みな演技力で聴かせる。
ハーゲゴール&パーソンズ:頼りない雰囲気の演出がうまい。
クラウセ&ゲイジや、スゼー&ボールドウィンも味わい深い歌いぶりで楽しませてくれる。

( 2004.11.27 フランツ・ペーター )


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