逢いに来ましたお父さん |
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母さん作った 日の丸べんとう 一人たべたべ 汽車の旅 夢でみていた 東京の町を 地図をたよりに 九段まで 逢いに来ました お父さん 泣き泣き拝んだ 靖国神社 合わす両手に 桜散る 待っていたよの たゞ一言を 聞いてみたさに はるばると 逢いに来ました お父さん お別れした時ゃ 乳呑児だった 丁度あれから 十五年 つらい淋しい 片親そだち 故郷(くに)のはなしを お土産に 逢いにきました お父さん |
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戦死した父をお参りにひとり上京してくる少年。歌ったのは当時14歳だった三宅広一だそうです。少女演歌歌手のような艶っぽい美声でなかなかの熱唱でしたが、詞・曲の魅力はいまひとつステレオタイプなルーチンワーク作品のようで感じ取れませんでした。そのあたりがこの歌が生き残れなかった理由かと思います。ただ時代の証言として忘れられるべきではなかろうとここに取り上げて置くこととしました。
( 2017.02.18 藤井宏行 )