Benedeit die sel'ge Mutter Italienisches Liederbuch |
今は亡き君の母上に祝福あれ イタリア歌曲集 |
Benedeit die sel'ge Mutter, Die so lieblich dich geboren, So an Schönheit auserkoren - Meine Sehnsucht fliegt dir zu! Du so lieblich von Gebärden, Du die Holdeste der Erden, Du mein Kleinod,meine Wonne, Süße,benedeit bist du! Wenn ich aus der Ferne schmachte Und betrachte deine Schöne, Siehe,wie ich beb' und stöhne, Daß ich kaum es bergen kann! Und in meiner Brust gewaltsam Fühl' ich Flammen sich empören, Die den Frieden mir zerstören, Ach,der Wahnsinn faßt mich an! |
今は亡き君の母上に祝福あれ、 母上は君をこんなにも可愛らしく産んでくださった、 天から授かった美貌なのだ。 僕のあこがれは君の許に飛んでいく! 君よ、仕草のなんと愛らしいことか、 君よ、世界一大切なんだ。 君は僕の宝物、僕の歓び、 かわいい人、君に祝福あれ! 僕が遠くから悶え苦しみ、 君の美しさに見とれている時、 どれほど震え、うめいているか見るがいい、 僕はほとんど隠しきれないほどなんだ! そして僕の胸にどうしようもなく沸き起こる 炎が抗うのを感じている、 それは僕の心の平穏を掻き乱す、 ああ、狂気に締め付けられてしまうよ! |
コラールのような静謐な響きの前半部分、その後の制御しがたい恋の炎に慄く不安な響きの後半が好対照だが、ヴォルフは何故か前半部分をもう1度繰り返してABAの安定した構成にまとめあげた。
曲は感動的だが、ヴォルフらしくない展開が異質な印象を与える。
「メーリケ歌曲集」の「隠遁」(第12曲)も同様の構成だが、メーリケの原詩が第1節を最後に繰り返しているのでそれに従っただけと解釈できる(それでもヴォルフ自身不満だったらしいが)。
プライ&ヴァイセンボルン:真摯で心を打たれる。
スコウフス&ヴィイタサロ:ストレートな表現が気持ちいい。
F=ディースカウ&ムーア、ハーゲゴール&パーソンズや、シュミット&ヤンセンも良い。
( 2004.11.27 フランツ・ペーター )