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Sterb' ich,so huellt in Blumen meine Glieder    
  Italienisches Liederbuch
僕が死んだら、この体を花で包みこんでおくれ  
     イタリア歌曲集

詩: ハイゼ (Paul Heyse,1830-1914) ドイツ
    Italienisches Liederbuch-Rispetti 126 Sterb' ich,so huellt in Blumen meine Glieder 原詩:イタリア詞

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Sterb' ich,so hüllt in Blumen meine Glieder;
Ich wünsche nicht,daß ihr ein Grab mir grabt.
Genüber jenen Mauern legt mich nieder,
Wo ihr so manchmal mich gesehen habt.
Dort legt mich hin,in Regen oder Wind;
 Gern sterb' ich,ist's um dich,geliebtes Kind.
Dort legt mich hin in Sonnenschein und Regen;
 Ich sterbe lieblich,sterb' ich deinetwegen.

僕が死んだら、この体を花で包みこんでおくれ。
僕は墓に埋葬されたいとは思わないんだ。
あの防壁の向かいに僕を横たわらせてくれないか。
その場所でみんな、僕を頻繁に見かけていたはずだろう。
雨が降ろうが風が吹こうが、そこに僕を寝かせておくれ。
 僕は喜んで死ぬよ、君のためならね、いとしい子よ。
日に照らされようが雨にさらされようが、そこに僕を寝かせてほしいんだ。
 僕は気持ちよく死ねるよ、君のために死ぬのならね。

動きの少ない荘重なピアノの上を静かに恋人に語りかける歌は、すでに浮世ばなれした響きを聞かせる。
「スペイン歌曲集」にも「私を花で覆ってください」(第36曲)という名作があり、艶やかな官能の響きを漂わせていたのに対して、こちらはひたすら真摯で誠実な告白であり、ヴォルフはこの歌い手が本当に瀕死の状態で朦朧とした意識の中、必死に愛の言葉をつぶやいているような様を想定していたのかもしれない。
この歌曲集を見る限り、イタリア人は口説き文句や喧嘩の時に「死」という言葉をためらわずに使うようだが、ヴォルフは「死」という概念を文字通りの深刻な言葉と捉えているような印象を受けた。

プライ&ヴァイセンボルン:温かく誠実な歌いぶりが、ただ素晴らしい。
ハーゲゴール&パーソンズ:むらのない弱声でとても魅力的に聴かせる。
F=ディースカウ&ムーアや、スコウフス&ヴィイタサロも良い。

( 2004.11.27 フランツ・ペーター )


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