Le vent dans la plaine |
風は野を行き |
C'est l'extase langoureuse, C'est la fatigue amoureuse, C'est tous les frissons des bois Parmi l'étreinte des brises, C'est,vers les ramures grises, Le choeur des petites voix. O le frêle et frais murmure! Cela gazouille et susurre, Cela ressemble au cri doux Que l'herbe agitée expire... Tu dirais」ャsous l'eau qui vire, Le roulis sourd des cailloux. Cette âme qui se lamente En cette plainte dormante, C'est la nôtre」ャn'est-ce pas? La mienne,dis,et la tienne, Dont s'exhale l'humble antienne Par ce tiède soir,tout bas? |
それはけだるいエクスタシー それは愛したあとの疲労感 それは森が震える音 そよ風に抱かれている森の それは灰色の枝々のまわりで聴こえる 小さな声のコーラス おお、ひそやかにみずみずしい歌声よ! それはさえずり、そしてささやいている まるで静かな泣き声 揺れる草の葉がそっと漏らす泣き声のようだ 君は言うかもしれない、せせらぎの下で 小石が静かに転がる音みたい と 嘆きに満ちたこの魂 そしてその嘆きを眠らそうとしている魂 それはぼくたちのもの、それとも違うの? ぼくのもの、そしてきみのもので そこからぼくらはつつましい祈りの歌を呼吸しているんじゃないの? この暖かい夕暮れに、おだやかに... |
フォーレやドビュッシーの傑作歌曲のある「それはエクスタシー(C'est l'extase)」の詩にサン=サーンスも曲をつけています。タイトルが違うだけでなく、彼の軽やかにして流麗なメロディは、これが同じ詩から書かれたものとはとても思えないほど受ける印象が違います。
ただサン=サーンスは第3節を省略し、かわりに第1節を最後に繰り返していますのでそのあたりも雰囲気が変わってしまう理由でしょう。上の原詩と訳詞はドビュッシーの項から持ってきましたので第3節も記載されていますが、聴かれる際にはご注意ください。
( 2017.01.29 藤井宏行 )