Shall we dance? The King and I |
踊りません? ミュージカル「王様と私」 |
詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
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踊りましょう? 音楽の雲の上に乗って飛ぶように 踊りましょう? それから「おやすみなさい」をいうの それとも 空の最後の星が消えてしまうまで わたしたち、一緒に踊っていましょうか? (詞は大意です) |
マーニの歌った歌第3弾はアメリカミュージカルの黄金コンビ、作詞オスカー・ハマースタイン2世&作曲リチャード・ロジャースの作品から。なのですが実は私はこのコンビの作品とは相性があまり良くないのです。中でもこの「王様と私」は一番苦手な部類に入るかも...
同じ原作でジョディ・フォスター&チョウ・ユンファが主演の「アンナと王様」という映画もありましたが、このミュージカル、物語の筋も気に入らないし音楽も綺麗なのはわかるのですがどうも好きになれない...
(アンナと王様はもう少し古く1946年にも映画化されていたとか。この原作小説のミュージカル化が「王様と私」なのです)
映画「王様と私」も2回チャレンジしたのですが、デボラ・カーとユル・ブリンナーの熱演にも関わらず2回とも途中で寝てしまいました。どうでも良いですがブリンナーのあの恰幅の良さはシャムの王様というよりは中央アジアの国のスルタンといった感じですね。尤も強烈なキャスティングという点では上には上があって、1994年のロンドン・スタジオ・レコーディングではなんとあのハマープロダクションの映画でドラキュラを演じていたクリストファー・リーが王様役をやっています。こうなるともはや東南アジアの話ではなくて、東ヨーロッパの古城でのお話といった感じ?出稼ぎの家庭教師なんかよりも教養のありそうな王様です。
(さらに蛇足ですが1946の映画「アンナと王様」では王様にあのマイ・フェア・レディでヒギンズ教授を演じたレックス・ハリソン、こちらは理屈っぽく何でも聞きたがるキャラクターとしては打ってつけかも。ちょっと見てみたいです)
余談ですが、このシャムを舞台にした作品、タイの王様をまるで野蛮な酋長のように扱い、それが西欧の家庭教師アンナによって次第に文化的に啓蒙されるという、非常に欧米の傲慢さが鼻に付く作品ということもあるのでしょうか。タイではビデオを持ちこむだけでも不敬罪として捕まるのだそうです。
(確かに怒る気持ちは分からんでもないです。似たようなテーマのフランツ・レハールのオペレッタ「微笑みの国」では異文化が結局理解されえずに物別れに終わる、というのと対照的かも知れません
もっともアメリカのタイ料理のレストランには”King & I”って名の店が多かったように思いますけれども...)
そんな中でもやはりこの作品と言えばこの曲といえる「Shall we dance?」だけは素晴らしいです。
ダンスのステップを少しずつ教えながら、やがて情熱的なダンスに至るクライマックスシーンは映画でも非常に印象的でした。
ただ、残念ながら映画そのものをほとんど寝ていて見ていないので、マーニの歌にもあまり好印象はないのです(苦手な作品というのもあるのでしょうが)。彼女の年齢も当時26歳ということで、ちょっと若いのもマイナスかも?
他の録音でAmazon.comで検索してみた中で良さそうだったのは、マイ・フェア・レディやメリー・ポピンズの主演でおなじみのジュリー・アンドリュースが歌っている録音(1992 Philips)。ちょっとだけ試聴してみましたがお茶目な家庭教師という感じで面白いです。
ちゃんと聴いたら少しはこの作品、見直せるか?
( 2004.11.14 藤井宏行 )