青春プレリュード |
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花のアカシヤみどりの朝よ 若い命の 虹の色 夏はかがやく 陽は昇る 今日はあの山 越えてゆこ 誰が待つよで 胸も波打つよ 山のコースは 希望の径(こみち) いっそ驢馬なら たのしかろ 雲の流れに 啼く鳥に 風もささやく 愛のゆめ 誰が待つよで 胸も波打つよ 青い高峰(たかね)に 瞳をとじて 遠い世界の 山こだま ひとり静かに 聴きいれば 山の神秘が 身にしみる 誰が待つよで 胸も波打つよ 征けば黄昏 温泉(いでゆ)の窓に いつかほのかな 月あかり 地図をひらけば あこがれの 明日の旅路の なつかしさ 誰が待つよで 胸も波打つよ |
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ド演歌調の傑作をたくさん生みだした佐藤惣之助の典型的な詩ですし、昭和14年の作品ですから当然そういう系統の歌かと思いきや、結構ノリのよいジャズソングでした。ブラスにアコーディオン、パーカッションとなかなか楽しい編曲です。とはいえメロディラインは古賀政男系の日本情緒をたたえてノリノリの伴奏とややミスマッチ気味なところも。藤山一郎の端正な歌い方といい、なかなか不思議なコンピレーションです。
( 2017.01.26 藤井宏行 )