野薔薇の歌 |
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ほのぼのと夜明けの野ばら ほろほろとおさなき野ばら 七つの妹がいたならば 水のにおいのその頬に 花よりうすき紅(べに)染めて 今朝も泣かずに遊ぼうものを ちろちろと流れの野ばら しろじろと小藪の野ばら 黄金の小魚(こうお)がいたならば 若きいのちの美(うる)わしく 日の面(も)に映す夢の舟 水に流して唄おうものを おろおろと日暮れの野ばら さむざむと風吹く野ばら 十九の姉でもあるならば 花の白さに沁みるよな 夕べの月に粧(よそお)いて 遠い故郷を語ろうものを |
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NHK「みんなのうた」の前身ともいえる戦前のラジオ国民歌謡、色々と興味深い詩人と作曲家の組み合わせで様々な曲を提供してくれましたがこれもそのひとつ。放送最初期の頃の作品です。このコンビ、絶対はまりそうな感じなのですが意外と一緒に作業したことはないようで、これは大変貴重な作品なのです。
( 2017.01.18 藤井宏行 )