カッコ鳥 |
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山で カツコ カツコ カッコ鳥啼いた 山で カツコ カツコ あの啼く声は 「雨の降る 日にや 雨傘ほしや」 「暗い 闇夜にや 提灯ほしや」 山で カツコ カツコ カッコ鳥啼いた 高い山から 里みて啼いた |
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この詩にも晋平と耕筰がつけた別々の曲があり、更には本居長世も曲を1927年に書いています。残念ながら山田耕筰の書いたものは耳にできていないのですが、藍川由美さんのCDでこの中山晋平作品と本居長世作品の聴き比べができました。どちらもピアノにカッコウの鳴き声を模した響きを響かせながらお洒落に歌い上げますが、この晋平のものは朴訥に歌い上げてなかなか好感が持てる曲です。片や本居のものはかなりバタ臭い主部(ヨーロッパの民謡をさえ思わせる)とカッコウの台詞の部分の日本情緒纏綿たる部分との対比がとても面白い歌でした。
( 2017.01.13 藤井宏行 )