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Laß sie nur gehn,die so die Stolze spielt    
  Italienisches Liederbuch
放っておけばいいさ、あんな高慢ちきを演じる女なんか  
     イタリア歌曲集

詩: ハイゼ (Paul Heyse,1830-1914) ドイツ
    Italienisches Liederbuch-Rispetti 117 Laß sie nur gehn,die so die Stolze spielt 原詩:イタリア詞

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Laß sie nur gehn,die so die Stolze spielt,
Das Wunderkräutlein aus dem Blumenfeld.
Man sieht,wohin ihr blankes Auge zielt,
Da Tag um Tag ein andrer ihr gefällt.
Sie treibt es grade wie Toscanas Fluß,
Dem jedes Berggewässer folgen muß.
Sie treibt es wie der Arno,will mir scheinen:
Bald hat sie viel Bewerber,bald nicht einen.

放っておけばいいさ、あんな高慢ちきを演じる女なんか。
花畑に生えた世にも珍しい草なのさ。
ほら見えるだろ、あの女のギョロついた目ん玉がどこを向いているか。
日に日に違う男がお気に入りなんだぜ。
あいつはまさにトスカーナを流れる川なんだ、
いくつもの谷川を後に従えているからな。
あいつはアルノ川みたいだ、俺が思うにはな、
大勢の求愛者がいるかと思うと、ある時は誰一人いなかったりするのさ。

お高くとまった女を糾弾する内容は第13曲を思い出させるが、こちらの方が余裕を漂わせている。5行目のトスカーナを流れる川というのは、つまり7行目のアルノ川を指していると思われる。この川はカゼンティーノ(最終曲にも出てくる)の公園からアレッツォ高原、アルノ渓谷を経由して、さらにフィレンツェを横断して、ピサ(斜塔で有名)でティレニア海に注ぐというコースをたどるそうだ。プッチーニの「ジャンニ・スキッキ」中の有名なアリア「私のお父さん」にも登場する有名な川らしい。この川の流れを急速なピアノの音型で描写し、最後の支流に模した恋人が一人もいないと歌われる時、この音型が一瞬途絶える。情景描写と心理描写の巧みな融合が聞き取れる。

ベーア&ドイチュ:言葉の切れがよく、表情が豊かでオペラの一場面のようだ。
F=ディースカウ&デームス:若々しく張りのある声で歯切れ良く歌われ、デームスのピアノと共にスピーディーに盛り上げていく。
プライ&ヴァイセンボルン:情熱がほとばしる表現で強く訴えかけてくる。
シュライアー&エンゲル:歌とピアノ共に芸達者で惹き付けられる。
スゼー&ボールドウィン:皮肉っぽい表現がリアルに伝わってくる。

( 2004.10.24 フランツ・ペーター )


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