うちゅうせんペペペペラン |
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詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
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湯浅譲二の作品をNetで色々調べておりましたらこの不思議な味わいの作品に出くわしました。1970年代初め、子供向けの絵本+レコードのシリーズ「ドレミファブック」というものがあったのですが、そこには童謡だけでなく歌付きの物語も1巻に1話収録されておりました。人種差別問題のあおりを食って今や幻となったちびくろサンボだとか、泣いた赤鬼、更にはゾルタン・コダーイのオペラ「ハーリ・ヤーノシュ」まであり、たいへんに興味深かったのですが、第11巻にこの谷川俊太郎作・湯浅譲二曲・司修画のこの物語が収録されていたのです。平井道子の語りに、子供たちに物語を語り「ペペペペランのうた」を歌う不思議なおじいさんに益田喜頓、その子供たちに丸山裕子・久松夕子というメンバー。おじいさんの語る物語は:アンドロメダに子供たちだけで飛び出した未来の宇宙船ペペペペラン、途中で成人した子供達は一組・二組と結婚し、ただひとり弱虫のロンだけがあぶれてしまいます。そんな中船が彗星と衝突し、船外に出ての修理が必要となる、独り者のロンがその役目を引き受けますが、壊れてしまった船のコンピューターのせいで彼はひとり、宇宙空間に取り残されてしまったのでした。船が無事アンドロメダに着けたのか、一人ぼっちで取り残されたロンが最後にいったいどうなったのか、一切が明かされないまま物語は夕暮れの一番星とともに終わります。
おじいさんが淡々と歌うペペペペランの歌は哀切な、そしてどこか恐ろしげですらあるもの。小さい子供には何かトラウマにすらなりそうな強烈なお話と思いました。
けっこうNet上ではこのお話を取り上げる方も多く、色々な情報を得ることができました。
( 2017.01.07 藤井宏行 )