Dank des Paria Lieder nach Gedichten von J W von Goethe |
パーリアの感謝 ゲーテ歌曲集 |
Großer Brahma! Nun erkenn ich, Daß du Schöpfer bist der Welten! Dich als meinen Herrscher nenn ich; Denn du läßest alle gelten. Und verschließest auch dem Letzten Keines von den tausend Ohren; Uns,die tief herabgesetzten, Alle hast du neu geboren. Wendet euch zu dieser Frauen, Die der Schmerz zur Göttin wandelt! Nun beharr ich anzuschauen Den,der einzig wirkt und handelt. |
偉大なるブラフマーよ!今こそ私には分かりました あなたこそが世界の創造者だということを! あなたこそわが支配者と私はお呼びいたしましょう あなたがすべてのものを統べられるのですから あなたは決して塞がれることはありません 下賤な者にも 千お持ちの耳のどれひとつとても われら 深く蔑まれし者をも すべてあなたは生まれ変わらせてくださいました かの女たちのことに目を向けましょう この苦しみから女神へと変じた女たちに! 今こそ私は見つめ続けましょう 唯一の創造し活動されるお方を |
インドの伝説に基づく「パーリア」三部作(「パーリアの祈り」「聖譚」「パーリアの感謝」)は1821から1823にかけて書かれました。パーリアというのはインドのカーストの中でも一番下の階層の賤民。その差別された者としての祈りが冒頭に、そしてそのパーリアの女と、最上級カーストたるバラモンの貴婦人との間に起きた物語が真ん中の「聖譚」に(長いうえに込み入っていますので解説は省略させて頂きます ちょっとホラー入ってます)。そしてその物語の結末でこの女たちは女神になったのです。これを受けてのこの最後の感謝の祈りなのです。
清々しささえ感じさせる力強い歌が淡々と流れます。ちょっと印象に残りにくい感は否めませんけれども。
( 2017.01.02 藤井宏行 )