TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Dank des Paria    
  Lieder nach Gedichten von J W von Goethe
パーリアの感謝  
     ゲーテ歌曲集

詩: ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe,1749-1832) ドイツ
    Paria  Dank des Paria(1823)

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Großer Brahma! Nun erkenn ich,
Daß du Schöpfer bist der Welten!
Dich als meinen Herrscher nenn ich;
Denn du läßest alle gelten.

Und verschließest auch dem Letzten
Keines von den tausend Ohren;
Uns,die tief herabgesetzten,
Alle hast du neu geboren.

Wendet euch zu dieser Frauen,
Die der Schmerz zur Göttin wandelt!
Nun beharr ich anzuschauen
Den,der einzig wirkt und handelt.

偉大なるブラフマーよ!今こそ私には分かりました
あなたこそが世界の創造者だということを!
あなたこそわが支配者と私はお呼びいたしましょう
あなたがすべてのものを統べられるのですから

あなたは決して塞がれることはありません 下賤な者にも
千お持ちの耳のどれひとつとても
われら 深く蔑まれし者をも
すべてあなたは生まれ変わらせてくださいました

かの女たちのことに目を向けましょう
この苦しみから女神へと変じた女たちに!
今こそ私は見つめ続けましょう
唯一の創造し活動されるお方を


インドの伝説に基づく「パーリア」三部作(「パーリアの祈り」「聖譚」「パーリアの感謝」)は1821から1823にかけて書かれました。パーリアというのはインドのカーストの中でも一番下の階層の賤民。その差別された者としての祈りが冒頭に、そしてそのパーリアの女と、最上級カーストたるバラモンの貴婦人との間に起きた物語が真ん中の「聖譚」に(長いうえに込み入っていますので解説は省略させて頂きます ちょっとホラー入ってます)。そしてその物語の結末でこの女たちは女神になったのです。これを受けてのこの最後の感謝の祈りなのです。
清々しささえ感じさせる力強い歌が淡々と流れます。ちょっと印象に残りにくい感は否めませんけれども。

( 2017.01.02 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ