If I can stop one Heart from breaking |
誰かの心が壊れるのをとめられるなら |
If I can stop one Heart from breaking I shall not live in vain If I can ease one Life the Aching Or cool one Pain Or help one fainting Robin Unto his Nest again I shall not live in Vain #919 |
誰かの心が壊れるのをとめられるなら 私は無駄には生きていないのだろう 誰かの人生の苦痛を癒し 痛みをやわらげられるのなら 気を失った駒鳥を その巣に戻してあげられるのなら 私は無駄には生きていないのだろう #919 |
エミリ・ディキンソンの詩の中でもかなり人気の高い一篇。ネットで検索してもごろごろ取り上げているサイトが引っかかってきました。意外と国内でアメリカの詩人を詳しく紹介しているサイトは少ないのでこの詩が飛びぬけて人気が高いのは特筆すべきことでしょう。確かに彼女の孤高の魂が輝いている素敵な詩です。面白いのは彼女の詩に頻繁に使われるダッシュ(-)がひとつもないこと。この詩にもアメリカの作曲家オットー・リューニングが曲を付けており、シンプルなメロディとともに印象に残ります。礼拝でオルガン伴奏かなにかで真面目に歌うことを狙っているかのような1分もかからない賛美歌風の曲ですが、繰り返し聴いていくうちに心に染み入ってきます。彼女の詩はニューイングランドの賛美歌のスタイルをベースに書かれているのだそうで、そこの出身者にはそのつながりは明確に感じられるのでしょう。確かにこんな感じの賛美歌風の曲も他にもいくつかあります。
録音は同じ作曲家の「希望は羽の生えた小鳥」のところで紹介した2枚。どちらも素敵です。
( 2004.10.16 藤井宏行 )