Sie haben wegen der Trunkenheit Lieder nach Gedichten von J W von Goethe |
皆は 酔っぱらってるからと言って ゲーテ歌曲集 |
Sie haben wegen der Trunkenheit Vielfältig uns verklagt Und haben von unsrer Trunkenheit Lange nicht genug gesagt. Gewöhnlich der Betrunkenheit Erliegt man,bis es tagt; Doch hat mich meine Betrunkenheit In der Nacht umhergejagt. Es ist die Liebestrunkenheit, Die mich erbärmlich plagt, Von Tag zu Nacht,von Nacht zu Tag In meinem Herzen zagt, Dem Herzen,das in Trunkenheit Der Lieder schwillt und ragt, Daß keine nüchterne Trunkenheit Sich gleich zu heben wagt. Lieb'-,Lied- und Weinestrunkenheit, Ob's nachtet oder tagt, Die göttlichste Betrunkenheit, Die mich entzückt und plagt. |
皆は 酔っぱらってるからと言って いろいろぼくらを責める そして ぼくらが酔っていることについて どれほど文句をつけても十分じゃないという 普通は酔っぱらっちゃうと 人は参っちゃうんだけど 朝までは でもぼくが酔っぱらうと 夜中にほっつき歩いちゃうんだ 愛に酔っちゃうことなんだな ぼくをみじめに苦しめるのは 昼から夜まで 夜から昼まで ぼくの心の中で ぐずぐずしてるんだ この心を 愛に酔っぱらっているときは 歌声がふくれさせ 盛り上げる だから ありきたりの酔いなんかじゃ 敵うはずがないのさ 愛に 歌に ワインに酔っぱらうのは 夜が来ようと 朝が来ようと 最高に神の酔っぱらい方だ それはぼくをうっとりさせ そして苦しめるんだ |
「西東詩集」の酌童の巻で、これは詩人にお酌をする童子のつぶやきだと思われます。童子とあるから未成年だと思うのですが職業柄か既に酒におぼれている感じですね。この歌に取り上げられた部分の前には、詩人の寵愛を奪い合うライバルとして給仕女のことを罵り、なんとなくゲイっぽい雰囲気を漂わせていますのでここで語られる「愛」というのもなかなかに複雑な様相を示していますね。
この童子が語るという設定からか女声で歌われることも多く、またフィッシャー=ディースカウのヴォルフ歌曲全集でも(彼によく合った曲想の歌なのですが)この曲は省かれていました。
( 2016.12.26 藤井宏行 )