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Em algum lugar    
  Canções de Amor
どこかに  
     愛の歌

詩: モラエス (Vinícius de Moraes,1913-1980) ブラジル
      

曲: クラウディオ・サントロ (Cláudio Franco de Sá Santoro,1919-1989) ブラジル   歌詞言語: ポルトガル語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
きっとあるはず、きっと
どこかに、愛が
愛が穏やかに生き続けて
そして、愛があることすら忘れられる場所が
幸せに、幸せに、とても幸せに

(詞は大意です)

プラジルの作曲家クラウディオ・サントロは、ヴィラ=ロボスの後を継ぐような
位置にあった作曲家ですが、その主要な作品は一時期のヴィラ=ロボスがそうで
あったかのように、12音技法バリバリの前衛なのだそうです。ところがピアノ曲や
歌曲の中には非常に聴きやすい、美しいメロディの曲がいくつかあります。
といっても私は彼の歌曲はこの曲他数曲しか聴いたことはないのですが、この曲は
甘く夢見るような詩に、フランス歌曲の珠玉、ラロやアーンでも書いていそうな
美しくも切ないメロディが付いてとても素敵です。
最後のフレーズ、「幸せに」のところの繰り返し(Ser feliz, ser feliz, bem feliz.)
が特に印象的。

研ぎ澄まされた音を紡ぎ出せる人が、その才能を美しい歌に注ぎ込むと素晴らしい
ものができる、というのは武満徹作品などでも感じるところですが、この曲もそんな
ところでしょうか。同じ詩人の手になる愛の歌、他の12曲もぜひ聴いてみたいもの
です。

Ensayoレーベルにあるブラジル出身のソプラノ歌手マリア・ホセ・モンティエルによる
ブラジル歌曲集の中でも群を抜く美しさで迫ってきます。ブラジルのクラシック歌曲というと
意外としみじみと哀感が漂うものが多く、特に彼女のCDはそんな曲ばかり集めていますので
とても美しいラテン歌曲のアンソロジー、歌の間に入るピアノ曲の憂いに満ちた表情も
素敵です。サントロのピアノ独奏「前奏曲」からも2曲取り上げられて、そのドビュッシー
とピアノラグを混ぜ合わせたような不思議な情感も聴き物で、フランス歌曲などお好きな
方はきっと気に入るのではないでしょうか。

( 2004.10.03 藤井宏行 )


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