An die Hoffnung Hölderlin Fragmente |
希望に寄せる ヘルダーリン断章 |
O Hoffnung! Holde,gütiggeschäftige! Die du das Haus der Trauernden nicht verschmähst, Und gerne dienend,zwischen Sterblichen waltest Wo bist du? wenig lebt' ich; doch atmet kalt Mein Abend schon. Und stille,den Schatten gleich, Bin ich schon hier; und schon gesanglos Schlummert das schaudernde Herz |
おお希望よ! 優しき者! 善き仕事に励む者よ! お前は喪に服す家も拒まず 死の定めに従う者の間に 喜んで仕える お前はどこにいるのだ、私はわずかしか生きていない; だが既に晩年の冷えた空気を吸っている そしてここでいまや静かに、影のように、歌も無く おののく心はまどろむ |
「ヘルダーリン断章集」の一曲。驚いたことに、本当の断章ではなく、完成した詩「希望に寄せる」の全五連のうち最初の二連のみを用いて、しかもいくつかの語を省略したものです。確かに語りすぎずに諦観を語る詩にはなっていますが、ヘルダーリンの作品であると考えると非常に抵抗のある処理です。演奏は、白井さんが「ヘルダーリン歌曲集」の中に収録しています。
( 2004.09.04 甲斐貴也 )