Proud songsters Op.15-10 Earth and Air and Rain |
誇り高き歌い手たち 大地と大気そして雨 |
The thrushes sing as the sun is going, And the finches whistle in ones and pairs, And as it gets dark loud nightingales In bushes Pipe,as they can when April wears, As if all Time were theirs. These are brand-new birds of twelve-months' growing, Which a year ago,or less than twain, No finches were,nor nightingales, Nor thrushes, But only particles of grain, And earth,and air,and rain. |
ツグミたちは歌う 太陽が沈みゆく時に フィンチたちも囀る 独りで あるいは番いで そして暗くなれば 声高きナイチンゲールが 茂みの中で 笛を吹き鳴らすのだ 四月が過ぎ去ろうとする今 まるで全ての時が自分たちのものであるかのように これらの鳥たちは新しい鳥たちだ この十二ヶ月の間に育った 一年前には 少なくとも二年経たない前には フィンチもおらず ナイチンゲールもおらず ツグミもいなかったのだ ただ穀物の粒だけがあった それに大地と大気 そして雨だけが |
これは珍しくブリテンの歌曲集「冬の言葉」と取り上げた詩がかぶっています。面白いのはブリテンの曲が明るく華やかなのに対し、フィンジのメロディはとても重々しく、深い物思いに沈んでいるということです。最後のフレーズはこの歌曲集のタイトルとなった重要な言葉ですね。
( 2016.12.11 藤井宏行 )