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To Lizbie Browne   Op.15-7  
  Earth and Air and Rain
リズビー・ブラウンに  
     大地と大気そして雨

詩: ハーディ (Thomas Hardy,1840-1928) イングランド
    2.Poems of the Past and Present 94 To Lizbie Browne

曲: フィンジ (Gerald Finzi,1901-1956) イギリス   歌詞言語: 英語


Dear Lizbie Browne,
Where are you now?
In sun,in rain? -
Or is your brow
Past joy,past pain,
Dear Lizbie Browne?

Sweet Lizbie Browne,
How you could smile,
How you could sing! -
How archly wile
In glance-giving,
Sweet Lizbie Browne!

And,Lizbie Browne,
Who else had hair
Bay-red as yours,
Or flesh so fair
Bred out of doors,
Sweet Lizbie Browne?

When,Lizbie Browne,
You had just begun
To be endeared
By stealth to one,
You disappeared
My Lizbie Browne!

Ay,Lizbie Browne,
So swift your life,
And mine so slow,
You were a wife
Ere I could show
Love,Lizbie Browne.

Still,Lizbie Browne,
You won,they said,
The best of men
When you were wed
Where went you then,
O Lizbie Browne?

Dear Lizbie Browne,
I should have thought,
“Girls ripen fast,”
And coaxed and caught
You ere you passed,
Dear Lizbie Browne!

But,Lizbie Browne,
I let you slip;
Shaped not a sign;
Touched never your lip
With lip of mine,
Lost Lizbie Browne!

So,Lizbie Browne,
When on a day
Men speak of me
As not,you'll say,
“And who was he?” -
Yes,Lizbie Browne.

愛しのリズビー・ブラウン
お前は今どこにいるのか?
太陽の下 雨の中? -
それともお前の額からは
喜びも去り 痛みも去ったのか
愛しのリズビー・ブラウンよ?

かわいいリズビー・ブラウン
どれほどお前はほほ笑んだことか
どれほどお前は歌ったことか! -
どれほどお前は悪戯っぽく誘惑したことか
ちらりと見る時にも
かわいいリズビー・ブラウンよ!

それからリズビー・ブラウン
他の誰があんな髪をしていたことか
鹿毛色の赤の お前のような
体はとても奇麗だった
戸外で育っていても
かわいいリズビー・ブラウンよ?

ちょうど リズビー・ブラウン
お前がちょうど
愛され始めた時に
密かに 一人の男に
お前は消えてしまった
私のリズビー・ブラウンよ!

ああ リズビー・ブラウン
速過ぎたのだ お前の人生は
そして私のはあまりに遅かった
お前はもう人妻だったのだ
私が示すことができるようになる前に
この愛を リズビー・ブラウンよ

それでも リズビー・ブラウン
お前は得たのだ 皆が言うには
最高の男性を
お前の結婚相手に
どこに行ってしまったのだ?
おお リズビー・ブラウンよ?

愛しいリズビー・ブラウン
私は考えているべきだったのだ
「少女はすぐに大人になる」と
そして口説いて捕まえて置くべきだったのだ
お前がいなくなってしまう前に?
愛しいリズビー・ブラウンよ!

けれど リズビー・ブラウン
私はお前を逃してしまった
サインひとつ見せられず
一度も触れることなく お前の唇に
私の唇が
失われたリズビー・ブラウンよ!

だから リズビー・ブラウン
私がこの世を去る日に
皆が私のことを話しても
お前は言うのだろう
「ところで その人誰?」と -
そうなのだ リズビー・ブラウンよ


成就しなかった若き日の恋を甘酸っぱく思い出すこの歌。フィンジの優しいメロディは間の取り方も含めて絶妙です。最後の1節はハーディらしい述懐ですね。この部分もフィンジはとても共感してメロディをつけているようです。

( 2016.12.03 藤井宏行 )


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